6 ページ6
私は今、とある近くの山中に来ている。
と言うのも、この間ここで珍しい薬草を見かけたので、今度来てみようかと思っていたのだ。
「……おかしいな。
この辺だったはずなのに。」
おかしい。
本当におかしいと思う。
あの薬草が、忽然と、跡形もなく消えてる。
おかしい。
本当におかしい。
ちゃんと確認したはずなのに、本当に合ってるのか30回くらい確認したはずなのに。
最悪すぎる……。
地面に蹲っていると、声が聞こえた。
私と同じくらいか少し下くらいの歳の女の子の、可愛い声だ。
「あの……貴方、大丈夫ですか?
もしかして、具合が悪かったり……。」
そのあまりの可愛さとこんな変人を心配して声をかけてくれるその清らかさに驚いて顔を上げる。
……。
困った。
本当に可愛い。
ぱっちりと切り揃えられた前髪に、腰まである綺麗な髪。
その中にある小さな顔。
大きく見開かれた目といい、すっと通った鼻筋といい、完璧すぎる。
これが美人というやらか。
なにより、白く滑らかでまろい肌に、烏の濡れ羽色の髪と瞳がよく生えている。
この子、こんな風に道端で倒れている人に声をかけたりして、襲われたりしないかしら?
お姉さん、心配なんですが。
「鬼滅の刃」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:林鈴 | 作成日時:2023年12月31日 2時