完璧な奥さん２ (ページ9)

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軽くパニックページ9

またエレベーターに乗り込み
廊下を歩いているといきなり手を引かれ
背中には壁、目の前には葛葉の服が見えた

『な、なに？』

葛葉
「しぃー」

耳を澄ますと誰かが話しながら
こっちに向かって歩いてきてた
でも私たちは曲がり角の壁沿いにいる為
歩いてくる人からは見えないだろう
右側の私のすぐ横に物が置いてあり
それが死角になっていて
右側から歩いてくる人も
私たちの前を歩かないと気付かない
わざわざ止まらないと私たちには見ぬ気もしない
何故ここに？と聞く前に
目の前にドアップの葛葉が居て
聞こうとした口は口で塞がれた

『んっ........ﾌｯ.....』

息が出来ない
私はどうも、口内に舌があるのが違和感で
どうしていいのかわからない
パニックになりそうになり、息の仕方がわからなくなる

『んっはぁ....はぁ....し、しぬ........』

葛葉
「息止めんな、鼻で吸えって、下手くそ」

『じゃあやめ』

どうやら彼はやめる気はないらしい
酸欠状態で死ぬかもと思い始めた時
ようやく息が吸えるようになり
思いっきり息を吸い込んだ私は
葛葉に抗議しようと口を開いた

『あのねーﾝｸﾞｯ』

葛葉
「黙れ、また塞がれてーのか」

今度は何故か手で口を押さえられ
鼻でしか息が出来なくなった
フーフーと荒い息をする私は、きっと変な人に違いない