完璧な奥さん２

足りない自覚 ページ5

葛葉
「なにやってんの」

『葛葉....起きたの？』

葛葉
「でけぇ音でな、で？なにやってんの」

『起こすの手伝ってくれない？
不破さん、このまま眠ったみたいで
私じゃ起こせないの』

葛葉
「だろうな」

『葛葉』

葛葉
「なに？」

『お願い、助けてよ
不破さんをそこのソファに運ぶの手伝って』

葛葉
「え、なんで？嫌だけど」



















俺はこのやり方しか出来ない

Aの頭上に座り
真上からAを見下ろす



















『なんで....なんでそんなこと言うの？』

葛葉
「俺の気持ちがわかる？お前
多分だけど、お前には一生わかんないね
だから俺が丁寧に教えてやるよ
俺、今すっげー頭にきてんの
なんでかわかる？」

『でもそれは....』

葛葉
「不破っちがしんどそうだったから？
だからお人好しのお前は助けんたんだろ？
医者としての誇りが、お前を縛ってんだよ
でもさ、これ、俺以外が見たらなんて思う？
俺はいいよ？
さっきの話聞いてたから、あらかた知ってる
でも他のヤツらは知らねーよな？
一々説明すんの？
不破っちが隠そうとしたことも
なにもかも全部お前は話すの？」

『そんな事しない！』

葛葉
「だったらどーすんの？
俺、お前が思ってるより、そんなに心広くねーよ？
今までずっと隠してきたけど、そろそろ限界だわ
お前さぁ、自覚したらどう？」

『自覚....？』

葛葉
「そう、自覚
頭のいいお前なら分かるよな？
自分の状態、立場、よーく考えてみな
お前は誰のもの？」

『私は........葛葉のもの』

葛葉
「そう、俺のなの、お前は俺の
他人がやすやすと触れていいもんじゃない
そんなの見せられて
俺が怒らないとでも思ったの？
バカにすんのも大概にしろ！
他人が見たら押し倒してるようにしか見えないんだよ！
その格好は！！」



















自覚しろ
自分が誰のものかハッキリと分からせないと
コイツは分かろうともしない

困ってるから助けた
しんどそうだったから助けた

そんなのはただのエゴだ
最も要らないものだ
それが分からないなら
閉じ込めるなりなんなりする
お前は俺だけでいい
他人なんていらない

分からされた自覚→←俺のもの

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