不毛な争いの突破口 ページ47
「だから何回言わせるんですか！童貞はかんけ、い……」
エーミール様の顎を指先で上げると急に視界に入った俺に驚いたようで元々大きな目を更に見開いていた。
そのまま顔を寄せ、エーミール様の唇に自分の唇を重ねた。
「……ふぇ、」
「あﾞっ！！」
エーミール様からとんでもない気の抜けた声とゾム様の悲痛な悲鳴が同時に聞こえて来た。
開いた唇に舌を差し込むと、驚いたように引っ込んだ舌を追い掛けて更に口付けを深めた。
「んぅ、ちょ、ま……！きゅ、じ……さ……」
「ん……」
慌てるエーミール様の声を聴きながらちゅるりと舌同士を擦り合わせるとすっかり蕩けたエーミール様はいつの間にか背中に腕を回され夢中になってキスされていた。
「おいエーミール！！狡いぞお前！！俺まだキスされた事ないのに！！」
ゾム様は俺をエーミール様から引き剥がすと俺をキッと睨んでくる。
「なんでエーミールにキスしてんねん！俺にもするんだよぉ！！」
「えぇ……膠着状態でしたので強行突破をと思いまして……」
「エミさんばっかずるい！！」
「……子供ですか……」
エーミール様と言えば離れた瞬間によろよろとへたりこんで口元を押さえながらぱやぱやと花を飛ばして放心している。
ゾム様がどうしても動いてくれなさそうなので諦めてちゅ、と一つ口付けてやった。
「……短い」
「文句多すぎですよ」
なんで一日に二人も同性とキスしなけらばいけないのだ……
いや、制限もないしできるならしたくはないのだが……
「今のはちゃうやろ。やり直し」
「なんで偉そうなんですか……」
はぁ、と溜息をついてゾム様を見上げるとキラキラした期待に染まる瞳とかち合った。
もう一度ゾム様の唇を啄むとまた悲しそうな顔をしたのを見てふっと息だけで笑うと今度は舌をねじ込もうと唇を舐める。
ゾム様は嬉々として俺の舌を絡め取り、噛み付くような口付けを繰り返していた。
「ん……、ふ、は……」
「は、……も、いいです……？」
「まだ、まだや。もっと……」
遂に俺の腰を抱いて更に密着してくる。言動はなんだかんだ子供っぽさを感じるのに力と思考は雄そのもので女の子だったらすぐ落ちそうだな、とゾム様と自分のが混ざった唾液を飲み込みながら思った。
ゆるゆると背中を撫でられ、擽ったさに身じろぎするとそれに気付いたようで掻き抱いた身体を更に強く抱き締める。
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加藤(プロフ) - 花緑青さん» しております！が抜けてました・・・ﾊｽﾞｶｼｲ (2019年8月23日 4時) (
レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - 加藤さん» 加藤様コメントありがとうございます！直球の告白有難く受け止めさせて頂きます。まだまだ酷暑が続きますので加藤様もお気をつけてお過ごし下さい。 (2019年8月21日 12時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - す、好きです！！！！！！癒しをありがとうございます！！！！お体にお気をつけて！更新も楽しみに！！！ (2019年8月21日 6時) (レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - ねむるさん» ねむる様コメントありがとうございます。某イルカはWindowsの何かのツールで出てきたコンシェルジュ的なキャラクターですね。｢お前を消す方法｣などで調べると画像が出てくると思います。給仕君を気に入って頂きありがとうございます！きっと彼も喜んでいると思います (2019年8月20日 21時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - 男主くんの設定すごいすきです...。某イルカのオマージュ分からくて地元の水族館のイルカ出てくるCM思いつきました() (2019年8月20日 20時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花緑青 | 作成日時：2019年8月16日 8時
