人生に3回しかないモテ期を無駄使いさせるのはやめてください ページ32
「……分かりませんね。賢くないので」
「ほんま、減らず口」
またちゅ、と唇を重ねられて眉間に皺を寄せる。
「……キスは抵抗せぇへんねんな？」
「解雇よりマシなんで」
口付け一つで無職を回避できるなら安い。
「あ〜これから毎日纏わりついたるからな」
「それなんて地獄ですか？仕事してくださいよ」
「俺前線勤務やからこっちで仕事ないです〜」
「そうですか……あの、私エーミール様の所に行かないといけないのですが」
「あ、そやったん？なら俺も行くわ」
「えぇ……」
俺を後ろから抱き締めたまま着いてくるゾム様を剥がすのが面倒になり、そのままエーミール様の部屋の扉を叩いた。
「エーミール様、給仕です。大変遅くなり申し訳ございません」
「どうぞ、入っていいですよ」
エーミール様に入室許可を頂き、扉を開けて中に入る。部屋の中は上品な紅茶の香りで溢れていて背中の居心地の悪さを除けば心が和らいでいく気がした。
「ゾムさん……何でおるんですか……」
「ﾁｯｽﾁｯｽ！給仕君と仲良うなってな！」
エーミール様はどこか苦そうな表情の中に火照るような色が見え隠れしている。
あー……これは、見られたか。
ゾム様もそれに気付いたのかやたらニヤニヤしているのが顔を見ずとも分かってしまった。
「なんやエミさん、見とったんか。覗き見で興奮するとか童貞らしいっすわ」
「あれだけ派手に暴れてたら誰でも分かると思いますけどね」
穏やかそうな見た目のエーミール様が刺々しい物言いで俺の後ろのゾム様を睨む。
「まぁエミさんにはこんな事できひんもんなぁ？」
「っ、ゾム様……！」
後ろから顎を掴まれ無理やり後ろに向けられたかと思うとそのまま唇を塞がれる。
「なっ……ゾムさん！嫌がってるでしょう！離れな……さい！」
本格的に舌が絡みそうだなぁ……と思っているとエーミール様に腕を引かれてゾム様から離れたらしい。
「おまっ、なにちゃっかり抱き込んどんねん！」
「取られる方が悪いんですよ。大丈夫でしたか？」
「ええ、はい。大丈夫です」
「そいつ俺のお気に入りにしたから。手ぇ出したらタダじゃ済まさんぞ」
「給仕さん喫煙室戻りましょうか。あそこはゾムさん来れないんで」
「お前卑怯やぞ！！」
どうしてこうなった……今まで同性に好かれた覚えもないのに今日はなんだ。モテ期か。ホ♂の。
というかゾム様煙草だめなんですね。よく俺にキスなんか出来たな……
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加藤(プロフ) - 花緑青さん» しております！が抜けてました・・・ﾊｽﾞｶｼｲ (2019年8月23日 4時) (
レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - 加藤さん» 加藤様コメントありがとうございます！直球の告白有難く受け止めさせて頂きます。まだまだ酷暑が続きますので加藤様もお気をつけてお過ごし下さい。 (2019年8月21日 12時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - す、好きです！！！！！！癒しをありがとうございます！！！！お体にお気をつけて！更新も楽しみに！！！ (2019年8月21日 6時) (レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - ねむるさん» ねむる様コメントありがとうございます。某イルカはWindowsの何かのツールで出てきたコンシェルジュ的なキャラクターですね。｢お前を消す方法｣などで調べると画像が出てくると思います。給仕君を気に入って頂きありがとうございます！きっと彼も喜んでいると思います (2019年8月20日 21時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - 男主くんの設定すごいすきです...。某イルカのオマージュ分からくて地元の水族館のイルカ出てくるCM思いつきました() (2019年8月20日 20時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花緑青 | 作成日時：2019年8月16日 8時
