さよなら平穏また来て狂乱 ページ25
総統閣下の勧めを断る訳にもいかず、適当にカルパッチョとステーキを数切れ、小盛りのご飯をトレイに乗せると幹部の皆様とできるだけ離れた、一番端の席に着こうとすると総統閣下はニヤリと笑って自分の隣りの椅子を力一杯引いた。
「ほぅら給仕君！ここが空いてるゾ！！」
「…………」
なんて言うか。今まで総統閣下は善悪で分けるならば圧倒的に悪で、人心の無い戦争大好き！みたいな恐ろしいイメージしか持っていなかったが接して初めて分かる。
この人すげぇ構いたがりな人だ。
勝手なイメージで総統閣下の隣りは書記長様が座るものだと思い込んでいたがどうやら違ったらしく、引かれた椅子をぽんぽんと手で叩きこちらへ座るよう促される。
先程の配膳でボロボロに打ち砕かれた「平穏」が更に粉々になって行くのを遠くで聞いた気がした。
腹を括って総統閣下の隣に大人しく座るといつもと景色が違うせいか幹部の方々の視線が一つ、また一つと向けられる。
対人恐怖症ではないが昨日まで雲の上のような存在だった人達に一様に見つめられると気まずさが半端ない。
えぇ……俺が何したって言うんだ……
「あ、あの……」
「ん？どうした」
「私何かしてしまったんでしょうか……？」
居心地の悪さが凄い。
「何かした覚えはあるのか？」
「い、いいえ……ありません」
「なら何もしていないんじゃないのか？」
「はあ……」
答 え に な っ て ね ぇ
もう諦めて手を合わせて食事を開始する。さすが幹部棟の食堂なだけあって質が良すぎて味は最高に美味しかった。
サーロインステーキなんか噛まなくても飲める程柔らかいし脂の味が甘い。
カルパッチョもサーモンと鯛は脂が乗り、ホタテのまろやかさと酸味の効いたドレッシングが旨みを引き立てあっている。
詳しく解説せずとも美味なそれらを黙々と口へ運び、気付けば盛った料理は全て空となった。
「大変美味でした。ごちそう……」
「え、給仕君もう終わんの？かーーっ！まだまだ食い足りんやろ！！ほら俺が持ってきてやるからどんどん食えよなっ」
「え、ぞ、ゾム様？私はもう……」
周りを見るとあー、始まった。とばかりに向けられる視線が哀れみを帯びていた。
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加藤(プロフ) - 花緑青さん» しております！が抜けてました・・・ﾊｽﾞｶｼｲ (2019年8月23日 4時) (
レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - 加藤さん» 加藤様コメントありがとうございます！直球の告白有難く受け止めさせて頂きます。まだまだ酷暑が続きますので加藤様もお気をつけてお過ごし下さい。 (2019年8月21日 12時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - す、好きです！！！！！！癒しをありがとうございます！！！！お体にお気をつけて！更新も楽しみに！！！ (2019年8月21日 6時) (レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - ねむるさん» ねむる様コメントありがとうございます。某イルカはWindowsの何かのツールで出てきたコンシェルジュ的なキャラクターですね。｢お前を消す方法｣などで調べると画像が出てくると思います。給仕君を気に入って頂きありがとうございます！きっと彼も喜んでいると思います (2019年8月20日 21時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - 男主くんの設定すごいすきです...。某イルカのオマージュ分からくて地元の水族館のイルカ出てくるCM思いつきました() (2019年8月20日 20時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花緑青 | 作成日時：2019年8月16日 8時
