常套句であることは分かった ページ22
「え、これ完全にノリやねんけど今から給仕君の部屋行っていい？」
「はあ、構いませんが……」
こんな所で喫煙時間が終わると思っておらず気の抜けた返事を返す。くそ、あと二本は吸える計算だったのに……
「お前それ完全に女にやるやつやろ」
言葉の端々に笑いを含ませながらコネシマ様は吸い終わった煙草を吸殻入れに落とした。
「シッマは興味ないん？」
「そら見てみたいに決まっとるやろ！」
ドン！と腕を組み何故か得意げな顔をして鬱様を見ている。何で？
「そんなら給仕君が吸い終わったら行こか。それでええ？」
「かしこまりました」
女物の香水とコネシマ様の発言から察するに鬱様は女慣れしているようだ。どうもそういった問いかけに断りづらさというか、絶対の自信のようなものを感じる。
女よりも酒よりも煙草を愛する俺としては正直どうでもいいのだが。あ、童貞ではないから。そこはちゃんと明言しておく。
ブラックスパイダーと別れを告げ、コネシマ様と鬱様を引き連れ自室へと舞い戻る。なんでこうなった。
「うわー、凄いなこれ！博物館やん！」
「この煙草見たことないわぁ……どんな味するんやろか」
「まだ並べきってないので不完全でお恥ずかしいのですが……」
「え、まだまだあんの！？」
「うん、これはプロやわ」
ほとんど初対面の人間の部屋をこんなにキラキラした目で見ることは……まぁ、ないだろう。
「そちらの棚は使用率が高い物です。プレミアが付いていたり入手が難しい物はこちらに……」
「……あかん、全然分からんけど良さそうってだけなのは分かるわ」
「お、さっき言っとったガラムの珍しいやつってこれかぁ」
「あ、鬱様。こちらがキャスターです。7mgしかストックしておりませんがよろしかったでしょうか？」
「ん？キャスターの7mg？こんなんあんねんなぁ」
「まぁ、普通の店には置いてないですね。私の趣向ですが、タール数が高い方が好みですので」
「助かったわ。ありがとうな」
キャスターを纏めた紙袋を差し出すと鬱様は上機嫌で受け取られた。
「あー腹減ったなぁ。今日のご飯なんやろ」
「えぇと……全て読み上げた方がよろしいでしょうか？」
「いや、ええよ」
笑いが混ざった否定を寄越されたあたり、システムを理解しているようだった。
「なぁ、給仕君」
「はい？」
「また来てもええか？」
「はい、いつでもお待ちしております」
できれば静かに過ごしたいので余り頻繁に来られたくはないが身分の差は埋められないようだ。
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加藤(プロフ) - 花緑青さん» しております！が抜けてました・・・ﾊｽﾞｶｼｲ (2019年8月23日 4時) (
レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - 加藤さん» 加藤様コメントありがとうございます！直球の告白有難く受け止めさせて頂きます。まだまだ酷暑が続きますので加藤様もお気をつけてお過ごし下さい。 (2019年8月21日 12時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
加藤(プロフ) - す、好きです！！！！！！癒しをありがとうございます！！！！お体にお気をつけて！更新も楽しみに！！！ (2019年8月21日 6時) (レス) id: 55ae45cac2 (このIDを非表示/違反報告)
花緑青(プロフ) - ねむるさん» ねむる様コメントありがとうございます。某イルカはWindowsの何かのツールで出てきたコンシェルジュ的なキャラクターですね。｢お前を消す方法｣などで調べると画像が出てくると思います。給仕君を気に入って頂きありがとうございます！きっと彼も喜んでいると思います (2019年8月20日 21時) (レス) id: 02ce914128 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - 男主くんの設定すごいすきです...。某イルカのオマージュ分からくて地元の水族館のイルカ出てくるCM思いつきました() (2019年8月20日 20時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花緑青 | 作成日時：2019年8月16日 8時
