社畜少女がハンター試験を受けるらしいです［H×H］

落とし物 ページ14

「ねえ、うるさいんだけど？」

『すいませんすいません、静かに叫びますね！』

ｷﾞｬｱｱｱｱｱ！！！この人顔に針たくさん刺さってるよ！痛いよ！

声にならない悲鳴をあげる私を気にもせずに針男が1歩私と距離を縮める

え、、？

「どうでもいいけど、それ」

もう半分逃走しかけていると、針男が私の手の中を指差す

そうだ、落とし物！このまち針みたいな

どうぞ、と野良犬のように姿勢を低くしながら差し出す

文句はないだろう。……ないよね？


「……何か細工でもした？」

『とんでもございません！！！！』

「念、操作と具現化？ちょっと違う気もするけど」

なんでバレてんの！？え、怖いんだけど

突然の超人披露。何これ世界観間違ったとしか考えられないんだけど

「まあ、いいや。だったらこの針いらないしあげるよ」

『これ顔にぶっさしたやつじゃありませんよね！？』

「刺されたい？」

『うれしー！あげぽよー！』

自分でも酷いだろうと予想される顔面でギャルノリをしていると、針男が私を一瞥して立ち上がる

危なかった、ここが墓場になるかと思ったわ

なにされるか分からない、ここはしっかりとお辞儀をして帰ろう

『あのー、私はこれで失礼、、ん？』

出口、exit！何処ですか私には闇しか見えないんだけど

『出口とか、知ってます……？』

待ってここ定食屋だったよね。あれ、定食屋？

「そこがハンター試験会場入口」

針男はまっすぐ目の前の闇の入口を指差す

中を覗くと、コンクリートの殺風景な大きな会場と、筋肉質の男性たち……？

ふざけるんじゃねえ天下一武道会に行くつもりはない

『えーと、分かりました。ここを通り抜けると清潔な試験会場があるんですね？』

「通り抜けなくても試験会場だけど」

うわ醜い現実にぶち当たってしまった

試験ってなによ、ペーパーじゃないの？私いつだかの社内実施体力テストFだお？

「じゃ」

『まって！せめてお名前とか』

「ギタラクル。試験の間は話しかけないで。一緒にいると目立つから」

ギタラクルさんはそう、眉間にシワを寄せながら答えた

針だらけで全く分からないけど




____

『ひどくない！？初対面だよ！？』

『あとギタラクルさん外見に合わずにイケボ！！』

会場→←定食屋

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