怪物屋の半妖娘 (ページ8)

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1-3話ページ8

『あきちゃん、夏羽くん、おかえり』

「ただいまー！」

「ただいま戻りました」

「依頼はどうだった」

「もうバッチリ！」

隠神さんの問いかけにニコニコの笑顔でグッとサインをするあきちゃん。そっかーよかったね、と相槌を打てば思い出したようにスマホを取り出し画面をこちらに向けてきた。

「見て！僕が倒したんだよ！」

画面を見ればピースしているあきちゃんと氷漬けになっている怪物と夏羽くん。

『へー、凄いじゃーん！頑張ったんだね』

そう言いながらあきちゃんの頭を撫でるとへへ、と得意気に笑った。

その後織にも見せるんだー、と織の部屋に走っていった。

『夏羽くんもお疲れさま。怪我してない？』

「はい、俺は屍鬼なので傷はすぐ治ります」

『そういえばそうだったね』

夏羽くんの頭を撫でる。

「……」

(ヤバ、いつもの癖で撫でちゃった)

あきちゃんは喜ぶけどいつも織は嫌がるし(まあ、無理矢理撫でるけど)夏羽くんも嫌だったかも…と思いチラリと夏羽くんの表情を見る。

(うん、わかんないな…まあ嫌そうではないかな？)

私も小さい頃は隠神さんに撫でられたり褒められたりするの嬉しかった。そんな事を考えながら頭から手を離す。

『あ、依頼きてたんだ』

隠神さんに頼まれた仕事を思い出し準備をする。準備といってもスマホと財布を鞄に入れるくらい。

『隠神さーん、私行きますねー』

いつのまにかどっかに行っていた隠神さんに大声で伝える。

「おー、気つけてなー」

『はーい』

私の大声を聞いたのか2人分の足音が聞こえた。

「Aちゃんいってらっしゃい」

「いってら」

「…いってらっしゃい」

『うん、行ってきます』

遠慮がちに言う夏羽くんに手を振り、2人にも手を振る。

(もっと夏羽くん慣れてくれるといいなー)