月の巫女【番外編 ハロウィンの花嫁】

第9話 ページ9

景光が渡してきた資料には髭を生やした外国人の男性の写真が載っている

貴「あ、あの時の…。なるほど。その時に陣平は彼を救出して名刺を渡したのね」

桜「ああ。ゼロも居合わせたらしいから確認をとってもらったよ。間違いないってさ。それと、妹の方も数週間前に日本への入国を確認した。名前はエレニカ・ラブレンチエワ。既婚者で夫と息子がいたが数年前に2人を焼死で亡くしている」

景光の言葉に次のページをめくってみる
そこには金髪と緑がかった瞳に顔の左側に火傷の跡が特徴の女性の写真があった

貴「焼死…」

桜「ああ。やっぱりそこが引っかかるか」

貴「ええ…」

桜「一家焼死事件だそうだ。家ごと燃やされたらしい。彼女はその時運良く外出していて巻き込まれなかったようだ。それと彼女、事件が起きた後、現場に来たみたいなんだ」

貴「そうなの？」

桜「ああ。防犯カメラを漁っている時に偶然発見してな。涙を流して、現場を睨んだ後、去っていったよ」

貴「兄を亡くしているんだもの…。そうなるわよね…」

桜「そうだな…。それと、神代の方からも情報が降りてきたよ」

そうして景光は別の紙の書類を私に手渡した
星羅から降りてきたオレグさんの持ち物の一覧だ

桜「被害者の持ち物に不審なものはなし。タブレットを解体してみたところ損傷が酷かったため、確実じゃないけどGPSと遠隔操作の受信機らしきものがあったことから、爆発は時限式ではなく遠隔で爆発されたものだろうとのことだ」

貴「つまり、警視庁の前で爆発させたのはわざと」

桜「ああ。タブレッド自体の破損が激しいからできるか分からないけど、中にあったデータを復元できるか試しているところらしい。こっちはまだ時間がかかるってさ」

貴「なるほどね。了解。タブレット1つでそれだけ分かれば十分よ。流石ね、星羅」

桜「だな。とりあえず、分かったことはこれくらいだ」

貴「ん、ありがとう。とりあえず、このオレグさんとプラーミャの関係を見つけないことにはね…。エレニカさんに話を聞ければいいんだけど…もう今日は夜だし、これに関しては明日にしましょう」

桜「分かった」

貴「明日、申し訳ないけど、私は別の仕事があるから引き続き頼んだわよ」

こんな時に申し訳ないが明日は月姫としての仕事がある
零の危機だというのに、公安の業務ばかりに時間が割けないのは悔しいことだ

桜「ああ。任せておけ。こっちもできることは調べておく」

貴「ありがとう。よろしくね」

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