nights【青】 (ページ10)

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You

北「………あのーいい？」

「ああ、すみません。ヘアセット終わったので向こうの部屋でメイクしてますね。私は先に行きますので〜」

誰だって不審がる光景であることは分かっている。

相手はアイドルで私はただのメイクする人。

樹とは次第に会話する距離は目と鼻の先だった。

なんなら私の話と樹の鼻がくっつきそうで、樹はあと数秒後にいつものように私の口に舌を入れようとした所だろう。

途中から入ってきたあの人の顔。

あれは警戒の目。

というかわかる。私を軽蔑する目だった。

ああいう人間に私の人生は今までどれだけ邪魔されたか。

いい子とか模範的な生き方をする人間が嫌いだ。

更地みたいだ想像力と豊かな感情表現や感受性を持っていて、私たちを平気で傷つけながら息をする。

悪人の方がよっぽどいいじゃん。

そんな善人を見て見ぬふりをしながらも生きているんだから

.

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大「あ名前なんでしたっけ？えーーとマユさん？」

「そんな感じです。京本さん」

綺麗な人間も嫌いだ。

たとえどんな信念があろうと、どんな時でも悪人を突き落とすから