nights【青】 (ページ6)

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「同情、傷の舐め合い」

樹「あ？」

「寂しくないの？」

樹「何言ってんのお前」

近づいたと思えば、時々こうやって突き放すような言い方をする。

別に恋仲じゃないからいいとかそういう問題でもない。

「………拘らなくてもいいのに別に」

樹「別にお前に拘ってはねえよ」

「……依存されるなんて柄じゃないのによく離れないよね」

樹「なんだよお前笑」

ベランダで煙草を吸う横顔は吸い込まれるほど華麗。

繭良Aは無自覚の寂しがり屋だ。

一人になっていても決して独りは好まない。

自分の寂しさを埋めるためならなんでもして、時には相手の好意を試すようなことをする。

相手が自分の1番と分かっていても、消して誰にも本性を見せることはない。

樹「まーいいけどさ、今は俺と一緒にいればいいよ」

分かっている。俺がこんなことを言ってもAは断る理由なんてない。

もちろん俺もだ。俺にとってAとはなくてはならない存在酸素同然である。

だからこの女の生き様や、存在を否定する気も起きない。

お互い持ち合わせている感情は相手への哀れみ、この世理不尽さと自分を傷つけた全てへの怒りだけ

「ばーか」

"SixTONESは最強です。だってこの6人だから"

それでも俺には、横並び時々前へと道標になってくれる奴らがいる。

「必要なくなったんだよ私は」

Aが辛いなら、苦しいなら、笑えないなら

樹「こんなクソみたいな世界壊れればいいのにな」

「………ふ」

樹「ﾌﾞｯ､ｹﾞﾎｯ､ｶﾊｯ､ｺﾞﾎｯてめぇ………

今いいセリフはいたよね俺！！！天下のアイドル田中樹の顔面煙草の煙吐く馬鹿どこにいんだよSixTONESだぞ！！！」

「んは」

樹「あほかっ！！」

攻撃的で暴力沙汰を良く起こす。

得意なことは猫被り。

本性をみせないと言っておきながらも此奴のことを理解している自身は誰よりもある。

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