nights【青】 (ページ12)

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「あーお疲れ様です。」

北「は、はい。おつかれさまです。」

撮影が終わり、別現場に先に行く俺と、これから帰るであろうマユさんは同じエレベーターに乗り込んでしまった。

北「(きまず)」

北「………あのナンパとか、程々にお願いしますね。
一応俺もですけど、彼奴もアイドルなので

どういう関係かしりませんが、タレントへの不用意な接触は自分の身を守るためにも控えた方がいいかと」

「…………」

俺らしくない。

人見知りでメンバーといる時くらいしか弾けることない俺が、スタッフに向かって何かを言うことなんてない。

いやでもそれ程樹やアイツらが大切なんだ。

「ナンパねえ

そんなに田中さんが不安なら女性スタッフの目のつかない所に置くなりしたらどうですか？

グズグズしてると愛着分かりそうなんで、とっとと消えてくれませんかね」

北「……！！」

「ついでに私の前に貴方も現れなくなると光栄ですね。」

北「……は」

体感1分。

その目に思わず怯みそうになった。

「………ばあか」

北「…ば、はぁ！？」

颯爽と去っていき、俺はエレベーターに取り残された。

冷たい目、猫のように鋭い目付き、先程のメイク室では印象もまるで違う。

何も感じていないであろう作り笑いがあまりにも綺麗で俺は今息を飲んだ。

北「あ…！い゛！！！」

それで油断してエレベーターに挟まれた←