・ ページ47
もしかしたら、今みたいな生活はできないかもしれない。
二人でひっそり息を潜めて、
慎ましく慎ましく
生きていかなければいけないかも。
だけど。
「僕との暮らしは…時々あなたを不安にさせるかもしれないけど…僕の愛を疑わせるような不安だけは一生抱かせないと誓います」
ヌナの指を繋いで、
大きな瞳を覗き込む。
「だからヌナ、僕と目眩がするほど激しい恋、しませんか?」
雨の前の夏の匂い。
夕焼け。
風は狂ったみたいに轟々うなってる。
馬鹿だな。
こんな、どこぞのレストランで
粋がって言った台詞。
もっと気の利いた言葉、
いっぱいあっただろ。
でも、それでもなんだか泣きそうで。
胸がいっぱいだ。
「全てを捨てて僕について来てなんて贅沢言いません。ヌナが大事なものは全部持ってきてください、僕が全部ひっくるめて幸せにしますから」
だから、僕と一緒に………。
マジ。
どれだけ、自分勝手なんだろう。
『ジョングク』
ヌナの張り詰めた声。
このトーンは、無理かもしれない。
祈るように両目を瞑って、
ヌナの肩に額をつけた時、
『あんまり私のこと、ナメないでくれる?』
「え?」
小さな手が僕の頬を包んだ。
鼻先が触れる距離にヌナの綺麗な顔。
『保険かけるのって好きじゃないの。だから捨ててやるわよ、あんたのために何もかも』
「えッ」
いつか見た、生意気そうな笑顔。
あまりの美しさに、
また雷に撃たれたような衝撃的が走る。
『ジョングクが必ず守ってくれるんでしょう?』
まるで女王様みたいに、
気高い視線。
『連れてって。私も…目眩がするほど激しい恋をするなら…ジョングクがいい』
ああ、僕はきっと一生…
この人には敵わない。
「本当に、あなたって人は…!!どんだけ僕を好きにさせたら気が済むんですか!」
きつく抱きしめると、
ヌナが痛いって、可笑しそうに笑う。
「今夜は激しく抱きます!!」
『ちょ…いきなり何言ってッ!』
「もう絶対に我慢できないので、寝かせない宣言します!!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1952人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kiku(プロフ) - このお話を読んだ後またMV観たらお話とリンクしてボディガード設定にしか見えなかったです。キュンキュンしました。オサナイ様の想像力に毎度乾杯！ (10月12日 23時) (
レス) id: 5e67e06b21 (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆ様、いつもありがとうございます♡私と共に打倒魔王ですねw来世に期待しましょうwモラトリアムの方、話し忘れたので見返して書き始めましたwまたお待ちしてます♡ (9月11日 20時) (レス) id: 9bd3cb808b (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - りるさん» りる様、いつもありがとうございます♡付き合ったあとの喧嘩も書いてみたかったなぁと思いつつ、リハビリなのでここまでになりましたw今回も最後まで読んでいただき嬉しいです♡ (9月11日 20時) (レス) id: 9bd3cb808b (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - reiさん» rei様、いつもありがとうございます♡逃避行した後でも色々喧嘩しながらずーーーっと大好きでいてくれそうですよね♡最後までお付き合いありがとうございました♡ (9月11日 20時) (レス) id: 9bd3cb808b (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - ｵｻﾅｲ様、ストーカーJK完結ありがとうございます✨来世でぜひ世界を救わせて頂きますので、再来世は爆イケJKに毎日毎分毎秒愛される人生をよろしくお願いしたいところです💖モラトリアムの続きを楽しみにしております😆 (9月2日 9時) (レス) @page50 id: 904312cb69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｵｻﾅｲ
| 作成日時：2023年7月16日 13時
