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僕はヌナが大切で、ヌナ以上に守りたいモノなんてもうとっくになくて、
ヌナがツンッて横を向いたり、
真っ赤になって怒ったり
たまに小さく笑ってれるだけで
ただそれだけで良かった。
ヌナが幸せに生きていてくれれば
それだけで。
「お前、何してんのさ」
高架下。腫れた頬を押さえて
フェンスにもたれかかっていると、
呆れ顔のジミニヒョンが僕にハンカチをくれた。
「なんでお前がフルボッコにされてんの?」
切れた口元にぐいっと押し付けられて、
その痛みで一気に目が覚める。
「病院送りにしてやろうと思ったんですけど…僕が捕まったらアイツが野放しになるじゃないですか」
”お互い邪魔でしょ?僕は手ぇ出さないから。僕が立ち上がらなくなったらお前の勝ち。僕が最後まで立ってたら別れろよ”
殴られても殴られても
絶対地に倒れるものかと、
必死になって起き上がった。
アイツは僕を見て、
狂ってるってつぶやいて
逃げていった。
「もっと後先考えてから動いてくんない?まぁお前の代わりに僕が警護してやってもいいけどね」
「…僕が譲ると思いますか?」
「ヤー、なんて目するんだよ、迎えに来てやったのに」
ヒョンの肩を借りて、
なんとか歩く。
口の中もめちゃくちゃに切れていて、
あちこちが滲みた。
「お前、よっぽど好きなんだな」
「よっぽど好きです」
「ジレンマだね。お前が守れば守るほど、向こうはAさんに本性を隠すよ。いっそ暫く離れて暴走させる?」
「今更僕がいなくなっても、しばらく向こうは警戒心を緩めませんよ」
「だろうね。お前がこの世から消えない限り向こうも動かないかもね」
「僕が、この世から…?」
「え、なにその顔。閃いた、みたいな…」
「そっか!お葬式!!僕の葬式をやりましょうヒョン!」
「…お前、バカだって言われない?」
面倒くさそうに溜息をついたジミニヒョン。
呆れるのも当然だよね。
もしかしたら、やりすぎなのかもしれない。
僕は頭が足りないから、こんなことするより
もっともっとスマートにかっこよく
ヌナを助けられる方法があったのかもしれない。
でも。
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kiku(プロフ) - このお話を読んだ後またMV観たらお話とリンクしてボディガード設定にしか見えなかったです。キュンキュンしました。オサナイ様の想像力に毎度乾杯! (10月12日 23時) (レス) id: 5e67e06b21 (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆ様、いつもありがとうございます♡私と共に打倒魔王ですねw来世に期待しましょうwモラトリアムの方、話し忘れたので見返して書き始めましたwまたお待ちしてます♡ (9月11日 20時) (レス) id: 9bd3cb808b (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - りるさん» りる様、いつもありがとうございます♡付き合ったあとの喧嘩も書いてみたかったなぁと思いつつ、リハビリなのでここまでになりましたw今回も最後まで読んでいただき嬉しいです♡ (9月11日 20時) (レス) id: 9bd3cb808b (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - reiさん» rei様、いつもありがとうございます♡逃避行した後でも色々喧嘩しながらずーーーっと大好きでいてくれそうですよね♡最後までお付き合いありがとうございました♡ (9月11日 20時) (レス) id: 9bd3cb808b (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - オサナイ様、ストーカーJK完結ありがとうございます✨来世でぜひ世界を救わせて頂きますので、再来世は爆イケJKに毎日毎分毎秒愛される人生をよろしくお願いしたいところです💖モラトリアムの続きを楽しみにしております😆 (9月2日 9時) (レス) @page50 id: 904312cb69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オサナイ | 作成日時:2023年7月16日 13時