・ ページ41
それから、僕達は少しずつ話すようになった。
「ヌナ、今日も綺麗ですね!」
『…はいはいアリガト。ついてこないで』
「昨日はいつもより早く寝てましたもんね!見てるだけでも胸焼けがする王子様とお姫様の超王道ファンタジーアニメ、やっと見終わったんですか?」
『ちょッ…!!本当やめて!!誰かに聞かれたらどうすんの?!』
慌てる可愛いヌナ。
意外とロマンチストなのも萌える。
ヌナのことをもっともっと知っていくと同時に、
僕をストーカーだと勘違いした理由も分かった。
パーカーのフードを目深に被った
長身の男。
そいつが度々現れて、外からマンションを見上げていたり、ポストを漁っていたり…。
何度か待ち伏せしてみたけど、
コイツの警戒心の強さが並大抵じゃなくて、
僕の気配を感じ取った瞬間に逃げていくから、
なかなか尻尾を掴めなかった。
それから、
ヌナが電車を怖がる理由も分かった。
いつも電車に乗ると、
ヌナの背後にぴったり寄り添うようにして
立つ男がいて。
そいつがヌナの体に触ってるのが見えた時、
拳の中に爪がぶっ刺さる程、頭に血がのぼった。
急いで人を掻き分けてそいつに手を伸ばしたけど、
あと少しでフードを掴めそうになった瞬間、
駅に停車しちゃって…人混みに押し流されるように
そいつも降りていってしまった。
今思えば、あの時なんとしてでもアイツを捕まえて、
警察に突き出せば良かった。
そしたら、
ヌナがあんな怖い目に合うことはなかったのに。
「ヌナ?!」
顔を真っ赤にして
目に涙をためたヌナは、
僕を見つけて驚いてたっけ。
『なに…あんた…なんでこんな所に…』
普段気が強いヌナが、震えてる。
その弱さが愛しくて愛しくて。
取り逃がしたことが、悔しくて。
「泣かないで!僕がヌナのこと守りますから!」
この時、絶対にアイツをぶん殴って、
豚箱にぶち込むって決めた。
途中、ヌナに彼氏がいることを知って
屍状態になったりもしたけど、
やっぱり諦めることはできなかった。
二人でデートしてる時のヌナが
幸せそうに笑うことなんて一度もなかったし、
絶対に僕の方が幸せにしてあげられるって
根拠のない自信だけはいつだって持ってたから
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1952人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kiku(プロフ) - このお話を読んだ後またMV観たらお話とリンクしてボディガード設定にしか見えなかったです。キュンキュンしました。オサナイ様の想像力に毎度乾杯！ (10月12日 23時) (
レス) id: 5e67e06b21 (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆ様、いつもありがとうございます♡私と共に打倒魔王ですねw来世に期待しましょうwモラトリアムの方、話し忘れたので見返して書き始めましたwまたお待ちしてます♡ (9月11日 20時) (レス) id: 9bd3cb808b (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - りるさん» りる様、いつもありがとうございます♡付き合ったあとの喧嘩も書いてみたかったなぁと思いつつ、リハビリなのでここまでになりましたw今回も最後まで読んでいただき嬉しいです♡ (9月11日 20時) (レス) id: 9bd3cb808b (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - reiさん» rei様、いつもありがとうございます♡逃避行した後でも色々喧嘩しながらずーーーっと大好きでいてくれそうですよね♡最後までお付き合いありがとうございました♡ (9月11日 20時) (レス) id: 9bd3cb808b (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - ｵｻﾅｲ様、ストーカーJK完結ありがとうございます✨来世でぜひ世界を救わせて頂きますので、再来世は爆イケJKに毎日毎分毎秒愛される人生をよろしくお願いしたいところです💖モラトリアムの続きを楽しみにしております😆 (9月2日 9時) (レス) @page50 id: 904312cb69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｵｻﾅｲ
| 作成日時：2023年7月16日 13時
