最低なストーカーさん -SEVEN-【JK】

SATURDAY ページ19

《チョン・ジョングクサンガァー、オ亡ークナリニィ、ナリマシタァ》













『は?』













頭をぶん殴られたような衝撃を受けた。












インターフォンの向こう。











金髪の白人女性が、カタコトでそう言った後、
わざとらしく、
ヨヨヨって言いながら泣いた。












これから仕事に向かおうとした矢先だった。

















《葬儀ニキテホシィーッテ、遺言デェス》














『あの…チョン・ジョングクって…タトゥーで…うさぎ顔で…』












「ハァイ、タトゥーデ、ラビットフェイス、マッスルムッキムキノ彼デェース」













あいつ、チョンって名字だったんだ。
ジョングクも本名だったんだ。







　




亡くなったって…。
どういうこと?













部屋の中に響き渡る声で
とにかく来てほしいって叫ぶ女性。













韓国語があまり通じないのか、
私がなにを聞いてもてんで頓珍漢なレスしか
返ってこないから、
混乱しながらも喪服に着替えて家を出た。













ジョングクが…死んだって…?
頭が回らない。













”全部終わりにしてあげますよ”












”もう会えなくなりますね”













なに。










終わりにするって。











そういうこと?ジョングク。















こんな形で私の前から消えるつもり?












放心状態の私を見かねた金髪女性に
手を引かれるままに葬儀の会場に促された。














小さな部屋に、椅子が並んでいて、
様々な人種の人がハンカチで涙を拭きながら
嗚咽をあげている。













パンクロックみたいな、スタッズのついた服を
着た女性。














シルバーアクセサリーをジャラジャラつけた黒人さん。
















参列者に違和感を覚えつつも、
ジョングクの遺影を見た瞬間、
心臓をナイフで一突きされたような衝撃を受けて、
動けなくなる。













見なれた笑顔が白黒になってることが、
受け入れられなくて。





　






柩にもたれかかって泣く女性。












その横に立ち、
柩にそっと手を添える。

















『ジョングク…?』











ねぇ。嘘でしょ?












女性が、ゆっくりと柩を開けた。













可愛い顔で眠るように瞳を閉じたジョングク。











綺麗。
まだ、生きてるみたい。

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