最低な婚約者3【JN】

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『元気かなぁ、ソクジンさん。風邪引いてないかな』










「健気だねー。連絡くらいしてみればいいのに」










『いいのー。大人しく待ってる』












とろとろとまぶたが重くなってきて、
テーブルに伏せて寝てしまった。












ヒョンの夢でも見てるのかな。
幸せそうに口元が緩んでて、
非常に可愛い。








人のことばかり考えて、自分のことは後回しなんだね。
本当に…不器な人。









ベッドに運ぼうと思ったけど、
体に触れるのはよろしくないと思って
ベッドから毛布をもってきた。










そっと肩にかけると、
くふって笑ったからドキッとした。










『テヒョン…く…』









　

「なに。名前呼ぶのやめてくんない?」













いちいち心臓に悪い人。






そして、これから俺の姉になる人。










「ねぇ、ヒョンの周りにいる人って、いい人ばかりじゃないからね?」






　



ヌナの髪をさらりと撫でて、
頬杖をつく。










ここは金と権力に目がくらんで
ドロドロに腐ってる奴らの巣窟だよ。









ヌナみたいに優しくて純粋な人なんて
滅多にいないんだからね。











利用されるか、
蝕まれるか…。
はたまたその両方か。












「…仕方ないから俺が守ってあげる。ヒョンのついでにね」












Aヌナには借りがあるし。
二人には、幸せになってほしいから。











「おやすみ、ヌナ」








ヌナの髪にキスをして、
部屋を出た。








きっとヒョンは今頃血眼になって
仕事を片付けてることだろう。









「きっと明日には、会えるよ」











だから、もう少し待っててあげてよ。
それまでゆっくりお休み。

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