弱音っぷり×TH ページ1
暗闇の中で、声がこだまする。
“ソクジンと比べて本当に頭の悪い子”
“出来損ないのテヒョン”
“愛人の子供なんだって。どの面下げてパーティに出席するのかしら”
あーもう。
うるさいな。
出来損ないで悪かったね。
俺だってパーティなんか出たくないよ。
こんな家、今すぐ出ていきたいよ。
でもさ。
“ソクジンも、相手にしなきゃいいのに”
“良い人ぶってるだけだろ。ムカつくんだよなアイツ”
お前らみたいな害虫を駆除してからじゃないと、
ヒョンが困るだろ?
ほら。
うざったいだけの親戚も、
クソビッチな女共も、
まとめて消してやるからかかって来いよ。
“テヒョン、お前はお前らしく…”
ソクジニヒョン、大丈夫。
俺が守ってあげるから。
“テヒョン”
俺の大切なヒョン。
俺…。
俺さ、
“お前が消えろ”
「うわッ!!!!!」
自分の声に驚いて飛び起きた。
汗で頬に貼り付いた髪。
ドッドッドッて暴れる鼓動。
あの日から繰り返し見る悪夢。
ヒョンの冷たい目と拒絶の言葉。
もう、何回目だろう。
「え…」
それにしても此処は…どこ?
見覚えのない部屋。
白くて良い匂いのするふわふわのセミダブルのベッド。
サイドテーブルに置かれた加湿器が、
シュンシュンいいながら水蒸気を噴霧してる。
壁に吊り下げられたドライフラワーと、
猫脚のドレッサー。
グレーのチェストの上には
アンティークなフレームに飾られた写真が
たくさん並んでるけど、暗くてよく見えない。
なんとなく…この良い匂いからして、
女子の部屋っぽいけど…。
ああ。
体中が痛い。
寒い。
『起きた?』
「あ…」
少し開いたドアから
Aさんが顔をのぞかせた。
廊下から光が差し込んで、
部屋の全貌がはっきりと見える。
そうか。
俺、あそこで倒れて…。
「…アンタが担いだの?」
『まさか。管理人さんに手伝ってもらったよ。テヒョン君て細そうに見えて結構がっしりしてるんだね」
小さく笑って、
サイドテーブルに水の入ったグラスと
風邪薬の箱を置いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1516人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - kikuさん» kiku様、いつもありがとうございます♡お返事が遅くなりすみません(T_T)喜んでいただけてなら何よりです♡ (7月12日 23時) (
レス) id: 9bd3cb808b (このIDを非表示/違反報告)
kiku(プロフ) - 完結おめでとうございます祝！いやぁ〜もうこのお話は全人類女子の夢と希望が詰まりすぎてますね！読んだ人皆んなが幸せになって涙ぐんでると思います。あ〜♡ありがとうございます。大好き♡ (5月21日 22時) (レス) id: cbb83e9a02 (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - ちさん» ち様、いつもありがとうございます♡でぇ好きwwwww吹きましたwww じみんしぃ私も好きなんですよ。。短編でなにか書きたくなってきましたw (5月21日 21時) (レス) id: b6f6dfd1a4 (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - 今宵も、でぇ(大)好きなｵｻﾅｲ様♡完結からのご褒美続編からの完結、お疲れ様でしたとありがとうございました♡このお話読んで何故か執事じみんしぃが恋しくなり何度も読んでるのに一晩で読んでしまいました案の定寝不足でございますんwww (5月21日 3時) (レス) id: 24c43e5b1a (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - mikadokarula199さん» mikadokarula199様、コメントありがとうございます♡執事ジミンのお話を書いたことがありますのでよろしければ!秘書ジミン版もなにか書きたくなりましたw (5月18日 23時) (レス) id: b6f6dfd1a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｵｻﾅｲ
| 作成日時：2023年4月10日 22時
