恋は戦争【TH×You×JK】

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「夏はお好き?」



『え?』






たった一度の履修登録だけで
私達の世界が交わるわけもなく、




桜が散って、




梅雨が明けて、




蝉がミンミン五月蠅く鳴くようになった頃、






「夏は、好きデスカ?」



『…』







大学の図書館の裏、
木陰のベンチで本を読んでいた私の横に、
いつの間にかテヒョン先輩が座っていた。






オーバーサイズの白いTシャツ、
インディゴのハーフパンツ、
安定の派手な金髪。







両腕を背もたれに投げ出し、
ソーダアイスを咥えて空を見上げる
気怠そうな横顔も、無駄に整っている。





あー。なんかすごい。





こめかみから顎に落ちる汗さえも美しいって、
この人本当になんなんだろうか。






「夏はいいよねー海にプールにお祭り、花火にフェス。イベント山積みじゃん。体1つじゃ足りんよね」


『はぁ』



本に集中しすぎて、
全く気配に気付けなかった私は、



突然現れて突然夏の良さを語りだす
このコミュ力おばけが、
一体私に何を伝えようとしているのかを
早急に考えなければならなかった。




てゆうか。





夏はいいよねーとか言う割には、
好きも嫌いもないような表情で。





どちらかというと、
物悲しい横顔は、無機質な彫刻みたいで。





『先輩は、キライなんですか、夏』





返事に迷って迷って、




結局、
ストレートに思ったことを言った。

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