恋は戦争【TH×You×JK】

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雨が窓ガラスを叩く音、
低く響く雷鳴、それから、



それから。





今日、この日のことをしっかり覚えていたいのに、
ふわふわして、あんまり情報が、入ってこない。






どうやら、Aはお酒が強くないらしい。




1缶飲んだだけで、
瞳が潤んで頬がポッと赤くなっている。




これはまずい。





「据え膳」という言葉が頭をチラついたから、
テーブルに頭を打ち付けてそれを破壊する。





『ど…どうしたんですか？』





「そんな気分だっただけ」




『テーブルに頭打ちたい気分の時なんて、あります？』




ちょっとびっくりして、
でも可笑しそうに目を細めて。





少し酔っているのか、
話し方も舌ったらずで幼い。





「あ、このチョコうま」




『先輩、これ5個入りじゃないですか。なんで4個も食べてるんですか』




「ふふ」




『普通、食べても3個ですよね？それでも多いのに、4個って。ありえない！』




「また買ってくるから笑」




『私はまたとかそんな不確かな言葉は嫌いなんです。今すぐ行ってきてください』




「外どしゃ降りだって笑」




『とか言いながらそれ、最後の一個！最低！』





普段のクールな感じはフェイクなの？
どっちが本当のAなんだろう。




このままずっと一緒にいれたらと思うけど、
告白はあっさり流されてしまったし、
次の打ち手がわからない。





「そういえば、いつも一人で授業受けてるけど、友達できたって言ってなかったっけ？」




『はい、一応お友達？ですかね。バイト先の人です』




「なんか、嬉しそうじゃない…ね？」




伏し目がちになったAは、膝を抱えて、
手持ち無沙汰に握ったアルミ缶をペコペコ押している。




『友達とか、恋人とか、いらないって決めてたのに。その人も、テヒョン先輩も、優しくて、私とても迷惑してます』




「え？」




『一人で良かったんですよ、でも、知っちゃったら寂しくなるじゃないですか』

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