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一週間経つ頃には、
Aと働くことが苦じゃなくなった。




「これ、3卓にお願い」




『はい』




「21卓オーダー取った?」




『取りました。そこの付け合せ、盛り付けておきます』




「ありがとう」





Aは仕事を覚えるのが早いし、
気配りもできる。



それから、距離感が絶妙。



仕事の話はスムーズにできるけど、
プライベートの話とか、雑談とかは一切せず、
本当に淡々と仕事だけをしてる感じだ。




だから、人見知りの僕も
一緒にいて居心地が良かった。





「珍しいな、ジョングクが女のコにありがとうって言った」




「ヒョン、僕だってお礼くらい言いますよ」




「今までの子には散々冷たくしてたくせに笑」





キッチンのヒョンがニヤニヤして見てくる。

僕はキッチンとホール両方を担当しているけど、
キッチン担当のヒョン達は、
あまりAと関わることがない。




だから、




「今日も可愛かったなー」




とか、




「Aちゃん今日何時上がりなのー?」




とか、いつもAの話を聞きに来る。

うざったい。




AはAで、僕以外の人間とも
同じ距離感でいるみたいで、
誰かと特別仲良くなっている感じはしなかった。




逆に言えば、僕が誰よりAと会話をしていて、
それに対する優越感みたいなものが、
少しずつ芽生えてきた。




なんだろ。
これ。




Aは僕を不思議な気持ちにさせる。




『え。ジョングクさん、そのままホール出るんですか?』




「うん、ヒョン来たら今からホールだけど」




サングリアとエスカルゴで両手がふさがった僕の前に立ち、ぐっと体を近づけてきた。





え。
近っ!


初めてのことだけに、
一瞬にして体が強ばった僕が、
一歩体を引くと、





『口にソースついてます。つまみぐいしましたね』




持っていた紙ナプキンで、
グイと口を拭かれた。




初めて見た、真顔と微笑みの、
微笑み寄りの顔に、ドキッとする。





「あ…」




お腹がすいて、とか、
ヒョンが味見してっていったからとか、




色んな言い訳が頭を駆けめぐってる間に、
Aは個室に呼ばれて
オーダーを取りに行ってしまった。





Aに触れられたのはそれが初めてで、
今までの子たちなら嫌悪感すら抱いていたはずなのに、
なぜか全く悪い気はしなかった。





むしろ…。





「いやいやいや」




一息ついて、料理を運ぶ。

21→←19.JK side



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設定タグ:BTS , ジョングク , テヒョン   
作品ジャンル:タレント
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オサナイ(プロフ) -                   さん» コメントありがとうございます^⁠_⁠^停止してしまっていてすみません。。タイミング見ながら進めたいと思います! (2022年11月15日 0時) (レス) id: 2a01e4e00e (このIDを非表示/違反報告)
                   - 更新楽しみにしてます! (2022年11月12日 2時) (レス) id: cfb035f70c (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - ips403さん» いつも感想ありがとうございます♡こちら改行含め手直ししたいと思ってますー!自分でも話忘れてるのでお待ち下さいw (2022年8月25日 14時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)
ips403(プロフ) - オサナイさん、いつも作品楽しく何度も何度も読ませていただいております!言葉のチョイスや表現のセンスが素晴らしくてどんどん読み進めちゃいます!このお話しも大好きなのでお忙しいと思いますが更新楽しみにまってます❤️ (2022年8月21日 12時) (レス) @page28 id: 9fa96337fd (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - 猫のペルシャさん» わーありがとうございます!^_^更新停止してしまっているにも関わらず、ご評価頂けて嬉しいです^_^ (2022年8月3日 23時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オサナイ | 作成日時:2022年1月8日 21時

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