最低な婚約者2【JN】

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気が強そうな眼差し。











その癖、笑うと子供みたいに
あどけなくなる表情。









なにそのギャップ。










しかも俺、お酒好きじゃないなんて、
バレたことないんだけど。













『酔ってる?横になる?』













手が伸びてきて
ハッとする。











この俺が…指の華奢さにビビって
またのけ反るなんて。











「…俺、トイレ行ってきます」











そうか。
酔ってるせいだ。













見とれていたことを悟られたくなくて、
飛び跳ねるように席を立ち、
足早にヒョンがいる廊下に出た。












心拍数上がってるのも、
酔ってるせい。









それしかない。












「…テヒョン」













「どうしたの?」














頭を振って熱を冷ましていると、
ちょうど電話が終わったのか、
背中を向けていたヒョンが振り向いた。

















「ミンソが怪我したらしい。僕のファンが…切りつけたって」














強張った顔。
緊張した声。









ミンソヌナ、
指示通りやったんだな。











さすが、
執着心の強い女。










優しいヒョンには、
たまらないバッドニュースだろう。













「え?ミンソヌナが?!」




　






我ながら自然なリアクションで驚くと、
ヒョンは、少し疲れた顔で行かなきゃと呟いた。











「僕はミンソを見舞ってくるよ。お前はここでAさんとゆっくりしてていいから」












ここまで笑える程
作戦を通りだ。












俺はわざと目を泳がせて、
目線を落とした。













「あー…、俺は帰るよ」













「なんで?デザートくらい食べてけば?」












「いや…なんていうか…二人になりたくなくて」











俺の煮えきらない反応に
首を傾げたヒョン。









まるであの女を避けてるような態度じゃ
当然、気になるよね。















「言おうか迷ったんだけど…」











ポケットから出したメモ用紙を渡す。
受け取ったヒョンは、その筆跡を見て目を丸くした。









　




「これ…Aさんの電話番号…?なんで…」












分かりやすいな。
明らかにミンソヌナの時より顔色が悪くなってる。
















「ぶつかった時にもらったんだ。その…俺のこと気に入ってくれたみたいで。番号聞かれて断ったんだけど…そしたら無理矢理これ握らされて」

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