・ ページ46
自分の頬に手を添える。
まぁ…確かに。
今のあの子ならやりかねないか。
だけど。
こんなのって…あんまりだ。
せっかく両想いなのに。
「どうするの?このまま…離れるつもり?」
「そうするしか…思いつかないです」
「ハンナのことは?まだ好きなの?」
「ヒョン、分からないんです。ハンナのこと考えると、よく分からない感情になる」
胸を掻きむしるようにTシャツを掴んだジョングク。
苦しそうに顔を歪めて、俯いてしまった。
「ジョングク…手を離すのは簡単だけど、繋ぎなおすのは難しいもんだよ」
「え?」
「僕はAちゃんとお前を応援してたから言っちゃうけど。Aちゃんみたいなイイ子、手放したらすぐ誰かにとられちゃうよ?」
「…ッ。そ、そんなの…分かってますよ」
分かってるのに、
そんな苦しそうな顔するんだ。
それって、
分かってないのと一緒なんじゃないの?
「…これでいいんです。元々他人と暮らしてたのがおかしいんです」
「…ジョングク」
「過ごした時間だって短い。だから…きっと、慣れたらなんてことない。少し…寂しくなるだけで」
自分に言い聞かせるように、
頭を抱えて伏せたジョングク。
まったく。
なんでもこなすくせに、
こんな時だけ不器用なんだから。
「ジョングクがそう決めたなら、ヒョンは何も言わないよ。でも、Aちゃんとはもう一度ちゃんと話した方がいい」
「話す…って」
「今のままだと、絶対後悔するから。ね?お別れするならするで、お礼くらい言わなきゃ」
「お礼…」
ジョングクが顔を上げた。
「俺、帰ります」
「頑張れ」
綺麗な顔を、少しだけ歪めて、
無理やり笑ったジョングク。
「あ、そういえば。金曜日、ハンナがここで話そうって言ってたんですけど」
「え。流血騒ぎはやめてね?」
店が壊れなきゃいいけど。
あれ。
金曜日って、確か。
ナムジュンもなんか言ってた気がする。
うーん。
なんか波乱の予感しかないなぁ。
2446人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オサナイ(プロフ) - megcokinoyama02さん» megcokinoyama02様ww読み返していただきありがとうございます!手の大きさまでww吹き出してしまいましたww楽しんで頂けて嬉しいですー^_^ (2022年11月17日 3時) (レス) id: 2a01e4e00e (このIDを非表示/違反報告)
megcokinoyama02(プロフ) - 今ですね、同居人ロスの私はもう一度作品を読み返しておるのですが、読み返してもやっばり胸がギュンとして会話のテンポが好きでグクの手の大きさまで想像できちゃって本当に本当に素晴らしい作品です。ご馳走様です!いつかネッシーTシャツが見てみたい! (2022年11月16日 23時) (レス) @page32 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - 凛さん» 凜様、いつもありがとうございます♡続ジミナターンです!w (2022年10月2日 2時) (レス) id: 5bc8bd2025 (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - nnonnoさん» nnonno様、いつも遊びに来てくださりありがとうございます♡変な時間に更新してすみませんw引き続き楽しんでいただけるように頑張ります♡ (2022年10月2日 2時) (レス) id: 5bc8bd2025 (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - りるさん» りる様、いつもありがとうございます♡一刻も早く壁をうさぎジャンプしてくれといいのですが←お前次第。3でも宜しくお願い致します^_^ (2022年10月2日 2時) (レス) id: 5bc8bd2025 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:オサナイ | 作成日時:2022年8月29日 17時