最低な同居人2【JK】

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家についてから、
二人でビールを片手に絵を描いた。








グクは、私が描いたネッシーを見て、
また腹を抱えて笑った。








「これはAちゃんが5歳の時に描いた絵でちゅかー?笑」








…失礼な。







『そんなに下手ー?これでも美術の成績良かったんだけどなぁ』









「嘘でしょ?これでなんで?」









『先生に家庭科で作ったクッキーとかあげてた』









「そういうのを贈収賄と言う」










貸してみって言うからペンを渡すと、
グクはなんの躊躇もなくノートにペンを走らせて、
立方体に閉じ込められた様々な魚や海亀を描いた。










『え、すご、うまッ。びっくり!何かやってらっしゃったんですか?』









「デザイナーだってば」











さらに描き足された、立方体に刺さるフォーク。
底の方に、観念した顔のネッシー。










『わー!!!ポップで、めちゃくちゃ可愛いー!!先生、ファンです!』









両手を差し出すと、








「なにそれ」









って、満更でもない顔をしたグクが、
握手してくれた。











今の今まですっかり忘れてたけど、
グクってやっぱり、すごい人なんだ。











それからグクは、しばらく無言で絵を眺めた後、
そこそこ真剣な目で私を見つめた。













「A」









『うん?』









「この絵、出してみてもいい?」









『出す?』







聞けば、今煮詰まってるコラボ商品の
デザインの一案として出してみたいと言う。










『ああ、あの、ニューヨークの…コンセプトから合わないから白紙に戻るかもって言ってたやつ?』









「それ。Aのアイディア、正直面白いと思った。俺、ちゃんと描いてみたい。駄目?」




　




『え、むしろッいいの?!先生に使っていただけるなら是非!あ、でも、それでボツになっちゃったらごめんだけど!』










「先生って笑。いや、俺の絵、暗いタッチのが多かったから。Aの話聞いてたら、向こうが望んでるような、ポップでコミック感のあるテイストで描けそうだなって」








『えー、先生のファンとしてこんな嬉しいことはないです。応援するね!』









「もし採用されたら権利諸々は弁護士を通して…」









『そんなのいらないよ笑。その代わり、描けたら一番最初に見せて?』









グクが、少し驚いてから、









「あんた欲なさすぎ」








って笑った。

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