最低な同居人2【JK】

・ ページ4

“あんまりボーッとしてたら”












“鈍いどころじゃないんじゃない?”









そっか。





私、知らず知らずのうちに、
グクを傷つけてたのかな。








“あんた、ムカつくね”







グクの言葉が何度もリピートされる。
胸が苦しくなる。








「Aさん、テヒョン君、今の話聞いてた?」






壇上に立つナムジュン先輩に指されて、
ハッとした。








『すみません…聞いてませんでした』








「駄目だよ、ボーッとしてたら」








クスクスと笑い声が聞こえてきて、
恥ずかしくて縮こまる。




その後も、グループワークや、
電話応対、社内システムの導入研修で
ことごとくミスをしまくった私は、





「本当にどうしたの?」
って、ジミンに本気で心配されるほど、
ボロボロの１日を送った。







こんな日は早く帰って早く寝るに限る。
それに、グクにもちゃんと謝りたい。







まだ、怒ってるかな。







PCの電源を切ろうとして帰ろうとした時、








「Aさん、ごめん!この資料の誤字脱チェック、お願いできないかなぁ?」








営業1課のお目々くりくりの
可愛い先輩に声をかけられて、









『もちろん大丈夫ですよ!』






PCはそのままに、慌てて資料を受け取った。








受け取ったというより、
デスクに山積みになった、が正しいけど。








「ごめんね、今日大切な用事があって私もうすぐ帰らなきゃなんだ…明日の朝イチまでにお願いします!」






『分かりました!全然大丈夫ですので、予定を優先してください!』







明日の朝イチ…か。



終電まであと5時間。






社内限の資料だから家ではできないし、
なんとか集中してやれば終わる量かな。





「A、俺手伝うよ!」





テヒョンが声をかけてくれたけど、
病み上がりだから早く帰ってと断った。




ジミンは、同行していて直帰らしい。






ジャケットを脱いで、急いで資料に目を通すけど、
座学の後だからか1時間しか経っていないのに、
目がシパシパしてきた。






こんなんじゃ、終わらない。




せっかく私を頼ってくれたあの可愛い先輩を
困らせるわけにはいかない。








エナジードリンクでも買ってこようか。





集中力も切れちゃったし。










財布を持って自販機まで行くと、







「えー、本当にやったの?最低ー!」









という声と、複数人の女性の笑い声が聞こえてきた。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す