・ ページ30
『と、閉じ込められたら…仕事できないじゃん』
「餌くらい俺がやらなくもないけど」
『えー、ちゃんと1日5食しっかり食べさせてくれる?』
「多すぎじゃない?デブ」
むに、と頬をつねられて、
グクが笑う。
いつもそう。
グクって、本当に可愛く笑うんだ。
台詞とは裏腹な甘すぎる表情に、
クラリとする。
やっぱり、あのキスから私、
グクとうまく目を合わせられないや。
唇に光るピアスを見るのが精一杯。
「なに固まってんの?変な顔」
『な、なんでもない。本当に会社クビになったらどうしようって。…さっきの人達、お得意様らしくて』
「やましいことあるのは向こうも一緒でしょ。しつこく女に声かけてふられてんだから。ダッサ。俺なら死ねるよ」
『ふふ。グクは…そんな経験ないだろうねー』
「あるわけないでしょ」
そこはもう謙遜とかしないのね。
やっぱりグクは、モテるんだ。
うん。
分かってたけど。
なんだろう、このモヤモヤは。
きっと、こうやって手を繋いだりするのも、
息をするようにできちゃうんだろうなって。
私だけじゃないんだろうなって思ったら…。
“彼女面しないでね?”
うわ。
やだ。
私、なんか思い上がってる。
「本当、あんなクソみたいな脅しでアイツらの言うこと聞こうとするなんて、脳みそ類人猿だよね」
『やだ、人間の手前じゃん。まぁ。でも。…そっか。そうだよね?向こうもやましいことあったら、大丈夫…だよね』
じゃあジミンに何かあるってこともないかな。
ほっ、と胸をなでおろすと、
「俺は大丈夫じゃなかったよ」
『え?』
グクの手が、
ふわり、と私の腰に回った。
『え。なにして、るの』
なにが大丈夫じゃないの?
なんでこんな密着してくるの?
グクの体温も、香水の匂いも
ダイレクトに伝わってきて。
「アンタが誰かに触られるの、ムカつくんだよね」
『うッ』
また、そんな顔する。
こんなの。
こんなの、私の方が大丈夫じゃないよ。
2446人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オサナイ(プロフ) - megcokinoyama02さん» megcokinoyama02様ww読み返していただきありがとうございます!手の大きさまでww吹き出してしまいましたww楽しんで頂けて嬉しいですー^_^ (2022年11月17日 3時) (レス) id: 2a01e4e00e (このIDを非表示/違反報告)
megcokinoyama02(プロフ) - 今ですね、同居人ロスの私はもう一度作品を読み返しておるのですが、読み返してもやっばり胸がギュンとして会話のテンポが好きでグクの手の大きさまで想像できちゃって本当に本当に素晴らしい作品です。ご馳走様です!いつかネッシーTシャツが見てみたい! (2022年11月16日 23時) (レス) @page32 id: c550134bf4 (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - 凛さん» 凜様、いつもありがとうございます♡続ジミナターンです!w (2022年10月2日 2時) (レス) id: 5bc8bd2025 (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - nnonnoさん» nnonno様、いつも遊びに来てくださりありがとうございます♡変な時間に更新してすみませんw引き続き楽しんでいただけるように頑張ります♡ (2022年10月2日 2時) (レス) id: 5bc8bd2025 (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - りるさん» りる様、いつもありがとうございます♡一刻も早く壁をうさぎジャンプしてくれといいのですが←お前次第。3でも宜しくお願い致します^_^ (2022年10月2日 2時) (レス) id: 5bc8bd2025 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:オサナイ | 作成日時:2022年8月29日 17時