最低な同居人【JK】

ほっとけない奴×JM ページ26

「A、おっはよー!」






朝からテンションの高いテヒョンが、
恒例のように後ろからAを抱きしめる。




　


『テヒョン氏、重いし苦しい!』







「昨日はありがとねー!俺、変なことしなかった?」









『したよ、したした!匂い嗅がれた!』









「ああ、それなら大丈夫。正常だ」








『正常なんだ…なんかヤダ』









Aとテヒョンの真顔に吹き出す。







この二人のやりとりは、なんだか独特で、
力が抜ける。






見ててほっこりもするし、






たまに、なんとなーく、
胸の隅っこのほうがヒリヒリしたりもする。










「今日も座学中心みたいだよ、眠いね」








パックのオレンジジュースを頬に当てると、
Aは、ひゃっと首をすくめた。








『ジミンありがとう!もらっていいの?』








「昨日、テヒョンが迷惑かけたから」








『なにそれ、保護者?笑』


　



「…あ」






『ん?』







ケラケラ笑いながら嬉しそうにストローを刺した
Aの手首に赤い点々のようなものが見えて、
フリーズした。







なんだ?






今の、アザ?






ちょうどテヒョンが先輩に呼ばれたから、
ちょっと来てって、休憩スペースに連れて行く。








「どうしたの、ジミン?」









「…A、手首どうしたの」








『手首ー?』







Aも気づいていなかったのか、
手首を見てぎょっとしている。







「それ、どう考えても手形でしょ。誰かに掴まれた?」









『う、うーん、虫刺されかなぁ』








「…ごまかすの?」








『んぎゃッ!』








細い手首を軽く握ると、痛みに眉をしかめたA。








「へーえ、虫刺されがそんなに痛んだ」








『ちょっと…確認の仕方がサドっ気ありすぎやしない?』









「いいから、ちゃんと話して」









テヒョンのせいじゃないからねって前置きをして、
昨日の夜起きたことを、ポツリ、ポツリと話した。









「痴漢…」








『あ、全然大丈夫だよー、なんにもされてないから!すぐ助けてもらえたし』







にっこり笑ってるけど、
こんな…痣になるくらい掴まれたら、
怖かったんじゃないか?





　


「だから…早く帰りなって言ったのに」









『確かに!忠告は聞くべきだよね、教訓教訓』









教訓教訓って。
なんか軽いんだよな。





一歩間違えたら何されてたか…
ちゃんと分かってんのかな。

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