最低な同居人【JK】

敵意剥き出しの奴×TH ページ50

《風邪うつすんだから、Aを家に上げるなよ?》




ジミンからの電話。
風邪がうつるからなんて口実で、
妬いてるのがバレバレ。






彼女とうまくいってないのか、
それともAのせいでうまくいかなくなったのか。






よく分かんないけど、
俺は自分の気持ちには素直に動く方だから。





「A、送らせて?俺もう元気だし。明日出社するからさ」





何度も断るAの手を無理矢理掴んで、
マンションを出た。





だって、少しでも長く一緒に居たいから。







「だんだん空が明るくなってきたねぇー」







『風の匂いが変わったもんね!あ、でも今はトッポギの匂いしてるね?笑』







「お、あそこのお店今度行こうよ!」






『テヒョンはコーラだけにしてよねー』





カラカラと笑うA。
その声が心地良いから、ずっと聞いてたい。



Aは可愛いし、
正直顔も好きだけど、雰囲気が一番好き。






緩くて、柔らかくて、
でも芯はしっかりしてて。






たまにドジで天然。
だから、こんな俺とも波長が合う。





一緒に居ると、楽しいし、気持ちが穏やかになる。
こんな人、初めてだった。






「お、Aのマンションここ?」






『うん、ここだよーありがとうね!』






楽しい時間はあっと言う間に終わってしまって、
繋いでいた手を離してバイバイする。






『また明日ね』





また明日会えるのに、
こんなにも切なくなる。






うん。






最後にハグ、しちゃおっかな。






俺が、Aの手を掴んだ瞬間、








「A、お帰り」






『え?』






マンションのエントランスから、
黒いシャツにスキニーを履いた、
大きな目が綺麗な男の子が出てきて、





『わっ!』





俺を一瞥すると、
Aを抱き寄せて、頭にキスをした。





Aは何をされたか分かってない様子で、
キョトンとしてたけど、俺を見てる目で分かる。





ああ、コイツ、Aのこと好きなんだ。





で、俺を挑発してるって。








「あれ?君、前に駅にいなかった?」










そう言葉に出した瞬間、
ハッとした。






事故物件。





幽霊。









「王様、って、君のこと?」















※続編に移行します!
1で完結するつもりが思ったより長くなりましたー;
ダラダラとすみません←今に始まったことではない

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