最低な同居人【JK】

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「あんなの痴漢に決まってんじゃん。下心見え見えじゃんなんで分かんないのバカなの本当。ありえない。救いようのないバカ」








『え…全く分からなかった…痴漢だったんだ』








「だいたいこんな夜遅くになんでこんな暗闇にいくわけ?襲ってくださいって言ってるようなもんでしょ」







『ジョングクが…出てけって言ったんじゃん』







離すタイミングが分からなくて、手を繋いだまま歩く俺達。





振り向くと、Aが下を向いて唇を尖らせていたから、それがなぜか可愛く見えて、じっと見つめてしまう。







「…ごめん。悪かった」










『え』









「なに」









『いや、普段王様のくせに、素直に謝るんだと思って』










「為政者は下々の民の言葉にも耳を傾けるんだよ」








『なにそれ』







あ。





笑った。





やっと、笑ってくれた。







あれ、なんで俺、安心してるんだろ。








『もしかして、わざわざ迎えに来てくれたの?』







「そんな訳ないでしょ、自惚れないでくれる?」







『え、だってなんか…汗びっしょりだし』







「気分転換にランニングしてただけ」








『デニムで?』







ニヤニヤするな。




分かってるなら聞いてくるな。




マジで嫌な女。










『あ、彼女、放置してていいの?』







「…もういないよ。それに、彼女じゃないから」







『え、彼女じゃないのに連れ込んでんの?やっぱり遊び人なんだ、ジョングクって』







やだぁ、と言いながら、また企み顔で笑うA。







「なんなのその顔うざ」






だったらAは、あの男とどんな関係なのって、この勢いで聞こうかと思ったけど、




なんで知ってるのかって聞かれたら答えられないからやめた。


　



そもそもなんで気になってんだ、俺。








『でもさ、ルームシェアしてる間は連れ込むのやめてよね。気まずいんだから』








「アンタが男連れ込むのは禁止ね」








「うん?」









「俺は女連れ込むけど」








『出たー!独裁者!』








そのまま、延々とくだらない話をして、







たまに、無言の時間があって、









そのどちらも心地悪くなかった。







こんなに暑いのに、結局手を繋いだまま、だなんて、自分でも驚きだ。






今まで頼まれても繋いだことなんてなかったのに。

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