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ジミンの前に立ちはだかると、イジュン君を抱きしめるように受け止める。
腹部に鋭い痛みと熱。
ぐらり、と体勢が崩れる。
「お嬢様?!?」
床に倒れこむと、スローモーションで、もう一度ナイフを振り上げようとしたイジュン君を抑える男の人たちが見えた。
それから、視界いっぱいに、顔面蒼白のジミン。
「止血しろ!」
「救急車を呼べ!!早く!」
バタバタとせわしなく動く人、怒号、悲鳴。
それがどんどん遠ざかっていく。
「お嬢様ッ!お嬢様ッ!」
ああ、でも、ジミンの声だけは聞えるわ。
視界もどんどんぼやけてきて、傷口は熱いのに、寒くて寒くて仕方ない。
それでも、やっぱり、ジミンの顔は見える。
『ジミン…泣かないで…』
ジミンの目から、次から次へと涙がこぼれ落ちていく。
初めて見た、ジミンの泣き顔。
こんな時になんだけど…子どもみたいで、とっても可愛い。
愛しい。
「お嬢様ッ!!俺のせいでッ!」
ああ。
ジミンの手が真っ赤だ。
これ、全部私の血なのね。
もしかしたら私、死んじゃうかもしれない?
でも、いいわ。
あなたを守れた。
『ジ…』
もう、名前も呼べない。
これが最期だとしたら、伝えたいこと、山ほどあるのに、もう声も出せない。
ジミン。
悲しませてごめんなさい。
でも、ありがとう。
わがままで、子供で、なにやっても下手くそで、世話ばっかり焼かせてしまう私の側にいてくれて、
本当にありがとう。
あなたが私にしてくれたことばかりで、
私があなたにしてあげられたことなんて、何一つとしてなかったけど。
最期の最期まで私、こんなことしかできなかったけど。
あなたを助けられたんだとしたら、これ以上幸せなことなんてないわ。
気力を振り絞って、ジミンの頬に手をそえる。
「お嬢様ッ!動いてはいけません!」
ジミン、愛してるわ。
もし私がこのまま目を覚まさなかったとしても、
私はきっとあなたの側にいる。
あなたが眠れない夜は星になってあなたを照らすし、
あなたが涙を流したら、風になって頬を撫でてあげるわ。
一番遠くて、一番近くにいるわよ。
あなたが今までそうしてくれたように。
だから、泣かないで。
ジミン。
『あ、い、し…てる』
「お嬢様ッ?!?」
愛してる、ジミン。
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ｵｻﾅｲ(プロフ) - Reaさん» ありがとうございます!^^何度も読んでくださったんですね!無事に終われてほっとしました、またお付き合いいただけるように頑張ります! (2022年7月30日 19時) (
レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - しずくさん» わーありがとうございます♡最期までお付き合い頂けて嬉しいです^^ (2022年7月30日 19時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - パパさんさん» いつもありがとうございます!パパとの絡み、書いてみますねw (2022年7月30日 19時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - jk903さん» 嬉しいご感想ありがとうございます♡楽しんでいただけて、とても幸せです♡ (2022年7月30日 19時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)
ｵｻﾅｲ(プロフ) - ips403さん» いつもありがとうございます♡無事に終わることができました、最期までお付き合いありがとうございました^^ (2022年7月30日 19時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｵｻﾅｲ
| 作成日時：2022年6月12日 13時
