務まらない代行作業 ページ17
別職員目線。貴方の代わりは務まらない
<白夜>
「今日も来ないのか」
幻想体が何かをぽつりと呟いた。
こいつの装備をとるために、無惨に人が殺された。
それを背負って俺は管理をしている。
「つまらない、お前も所詮同類だろう」
その方は赤い瞳で俺を見た。
俺を写さない厚い瞳は、何かを待っているようで、
とても美し_
<何もない>
「……」
一瞬俺に目を向けたそいつは、
すぐに興味を失ったようだ。
何を考えているのかわからない。
人の部位を持っているくせに、ここまで気持ち悪いなんて
今日はまともに飯が食えないかもしれない。
「…むしゃ」
こいつは優雅に飯を食べているというのに
<黒の兵隊>
「…こんにちは、お願いします!」
ニコッと笑ったこいつは、
さすがZAYINと言えるほど愛嬌がある。
「職員はみな元気ですか?」
まるで化け物に答えられる質問じゃないが、
こいつは俺らに親身のようだ。
<静かなオーケストラ>
「♪…♬」
昨日脱走しやがった化け物は、
見る影もなく穏やかに旋律を奏でていた。
憎らしくて仕方ない。
「♬……♪♬」
こいつは俺を見向きもしなかった。
<魔弾の射手>
「……」
そいつは淡々と依頼をこなした。
人の形をしているのに、自分の撃った弾丸が
人を巻き込もうと気にしない。
俺には到底理解できない領域だ。
「ハッ…」
見透かされたような気がして、
背筋が寒くなる。
<死んだ蝶の葬儀>
「救われに来たのですか?」
そいつは持論を信じてやまない。
生きたいと思っていなけりゃ、
お前らを見て泣きやしないだろう。
「…前の担当をしていた方は、どちらに」
俺を見て、丁寧に尋ねてくる。
<レティシア>
「今日もお姉ちゃん来ないの?」
女職員であるのは確かだが、明確にはわからない。
しかし、化け物に気に入られて可哀想に。
幻想体は随分心配しているようだ。
「はい、これあげるわ」
アナタも教えてくれないのね、
ハートの中で無数の目が俺を見た。
<憎しみの女王>
「あら、」
俺を見た彼女は少し
ガッカリしたような顔をした。
それから気を取り直すように、
俺に笑いかける。
「何か困ったことはない?」
あの子なら気づいて、私に訊き返してくれる
彼女は俺が見えていないようだった。
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黒白(プロフ) - Lay様、閲覧してくださり、ありがとうございました。日々のちょっとした楽しみになっていれば幸いです。私もLay様のリクエストを書いてみたかったです…素敵なコメント嬉しいです!「Me too」」 (1月18日 23時) (レス) id: c5dfc0748e (このIDを非表示/違反報告)
Lay(プロフ) - お疲れさまでした。陰ながら応援させていただきました。(リクエストやらコメントやらもっとすればよかったなあ)と今更ながらに考えてますw本当に大好きな作品でした!またお会いできると嬉しいです「I love you」 (1月16日 13時) (レス) id: 7cc928f7fe (このIDを非表示/違反報告)
黒白(プロフ) - たくさんの感想ありがとうございます!ここで完結となります。またどこかで、お会いしましょう! (1月15日 22時) (レス) id: c5dfc0748e (このIDを非表示/違反報告)
はるまき - 完結おめでとうございます!沢山のリクエストに答えてくださってありがとうございます!毎日この反応集を見るのが楽しみでした!お疲れ様でした! (1月15日 7時) (レス) id: 4feaaff581 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - 黒白さん、最高の作品をありがとうございました!お疲れ様でした!またいつかここで貴方の作品を見れる日を望みます! (1月14日 23時) (レス) @page48 id: 32a9ecee78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒白 | 作成日時:2023年12月3日 9時