Prince【すとぷり】

雨　#2 ページ13

ー貴方sideー


ジェルくんと2人でお昼を食べている


ついこの前まではこんな状況、

想像もつかなかったなぁ


ジェ「やっぱなーくんの手料理は美味いなぁ」


そうなんだよね

つい食べすぎちゃう



ジェ「もうシェアハウスには慣れた？」

『うん！』

ジェ「男には？」

『学校の人は微妙かな…』


実際、予測不可能な行動を取られると

驚くし固まるからまだ不安だった



ジェ「ふーん」


そう相づちを打ったジェルくんは不思議なものでも見ているかのように私を見つめてきた


ジェ「じゃあ俺には？？」



そう言ってゆっくり顔を近づけてきた


近い近い近い近いっっ！！！



私も距離を保ちつつゆっくり後ずさる



ジェ「どうなの、A」イケボ


ガシャンッ


遂に後ろのフェンスにたどり着いてしまった





ージェルsideー




少し前までは想像もできなかった



ずっと高嶺の花だと思ってたAちゃんが、

俺に大人しく着いてきたこと
一緒に昼飯を食べていること




そんで今は俺らには慣れてて

学校の奴らには慣れてないなんて


その差は何？

一緒に住んでるから？



じゃあ俺は？？





なぜかそんな疑問が頭の中を駆け巡って

今すぐにでも答えを知りたかった





ジェ「どうなの、A」イケボ





Aちゃんはフェンスに寄りかかるまで

たじろいでいた


目も合わない、ずっと泳いでいる




そらそうやんな

男苦手やもんな


でもそんな反応があまりに可愛くて

俺の探求心と好奇心を逆撫でした



『ジェルくんには…』


諦めたようにようやく口を開いた




まあこんな強引に聞いたりしてるし、

やっぱり怖いとか言われんねやろな
(見かけによらず優しいって言われたこと根に持ってる)





『慣れてきてると思う…かな…』



っっ…！


予想外の発言に胸がキュッとなる

嬉しい





『深い意味はないけど…話してて楽しいし…そもそもシェアハウスのみんな優しいし安心だし…』


ジェ「ふっ」


『え、なんで笑ったの？私勇気出したのに！』


ジェ「いや、ありがとう」笑


『いやいや、ワロてるやん！』


ジェ「関西弁うつってるで」笑


『あ…』笑


それから2人で顔を合わせて笑った


『もういいよ、食べよ？』笑


そう言ってお弁当を食べ始めるAちゃんの横顔か
目が離せなくなっていた



あ、なんかデジャブな気がする




そういえば1年の時も横顔をよく見てたっけ



…



なんや、俺もう

時すでにお寿司やんけ




続く

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