検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:21,124 hit

49 ページ8

Aside


なんで?何で知ってるの?

「…」

「その反応は図星ってところかな?」

由真は、得意げに言う。

冷や汗が伝う。

「何で知ってるの?」

私は冷静さをなくさずに尋ねる。

「盗み聞きしたの。
ボスがあんたのとこの副班長さんに親子だってこと伝えてたとこをね。」

まぁ、スパイの中で噂にならなければ、私はそれで良い。
そう思って、私は口を開く。

「…そう、私はボスと親子関係。
…話はそれだけ?」

「あ、そうそう、私はそこら辺にいる奴等みたいに、
何でも噂にするような人間じゃないから。じゃあまた。」

そうして電話は切れた。
私は少し安心した気持ちで、班員に会いに向かった。


一班の部屋のドアをコンコンとノックすると、中から「どうぞ」という尚人の声。
中に入ると、いつもの緑のコーヒーの匂いが鼻をくすぐる。
懐かしくて、ここに戻れたことにうれしさを感じて、少し笑みを零す。

「班長、退院おめでとうございます。」

結菜と尚人以外の四人は声を合わせて言った。
いつもはあまり冷静じゃない大介が冷静なのことに少し驚いたが、
「ありがと」と答える。

そして、班長席に座ると、ボスからの話を伝える。

「私達は、約半年後に活動再開になる。
訓練は忘れないように。何かあったら連絡すること。
あと、私はしばらく実家に戻るからで、たまにここに顔を出すくらいになるから。
それじゃあ、解散。」

「解散」

私はこの一言を言うのに少し寂しさを覚えたが、いつものように言う。

「では、失礼します。」

大介とルークは私に一礼すると、部屋を去っていった。
残りの4人、智、結菜、尚人、緑は個人で作業を進めていた。
智と結菜は情報書類の整理整頓、尚人はパソコンでなにかをしている。
緑は、ソファーに座り、自身のパソコンで何かを調べているようだ。

「あ、僕、このあと用があるので失礼します。」

尚人は言うと、黒いコートを着て、部屋を去っていった。
しばらくして、情報書類の整理整頓が終わった二人も、去っていった。
残るは緑。
沈黙の中、タイピングの音が響く。

すると、緑が小さく呟いたのが聞こえた。


「班長は、実家に帰ったら思い出してくれますか?」

50→←ご挨拶



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
66人がお気に入り
設定タグ:Fischer's , マフィア , フィッシャーズ   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

凜ネコみゃあお(プロフ) - ♪OK (2018年3月22日 16時) (レス) id: 1fb76055e1 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 凛ネコみゃあおさん じゃあこちらのボードでお願いします。 (2018年3月22日 15時) (レス) id: dd7558d436 (このIDを非表示/違反報告)
凜ネコみゃあお(プロフ) - あーちゃんの好きでいいよ?k (2018年3月22日 15時) (レス) id: 1fb76055e1 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 凛ネコみゃあおさん どちらのボードで話しますか? (2018年3月22日 7時) (レス) id: dd7558d436 (このIDを非表示/違反報告)
凜ネコみゃあお(プロフ) - 頑張ってね!応援してます♪ (2018年3月22日 6時) (レス) id: 1fb76055e1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あーちゃん | 作成日時:2017年11月6日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。