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Aside
「退院おめでとう。」
「ありがとうございます。」
なぜかいつもより重苦しい空気のボスの部屋。
目の前の人は、「ボス」だった。
「一班のスパイの活動は、約半年後に再開だ。」
ボスは私の目をまっすぐ見て言う。
いわれたことに少し悲しみを覚えたが、表情を崩さず、話の続きを聞く。
「班員には会ったのか。」
尋ねているのか独り言を言っているのか分からないほど感情がこもっていない。
「七人中二人には。」
「そうか。」
沈黙が続く。
すると、一瞬「ボス」が「お父さん」に変わった。
「一回実家に戻ってくれないか。」
先ほどの声とは全然質が違う。
「…わかりました。」
私はボスの部屋を後にした。
あの日から実家には帰っていない。
実家に帰るのを恐れていたからだ。
すると、携帯が鳴る。
画面に表示されていたのは、『樋川由真』の文字だった。
電話に出ると、「もしもし。」と少しだるそうに答える。
「退院おめでと。」
由真にこうやって祝ってもらったのは初めてだった。
私がまだ未熟だったときは、しょっちゅう怪我をして、
病院に入院していたけど、誰も何もいってこなかった。
ああ、でもおめでとうと声をかけてくれたのは、
お姉ちゃんやお兄ちゃんしか居なかったけど。
心の中でそう呟いて、「どうも。」と答えた。
「それで、本題に移るけど…」
(あ、退院祝いが本題じゃないんだ。)なんてちょっとした面白味を混ぜて思ってみた。
由真は、少し間を空けて言った。
「Aって、ボスの娘さんだったんだね。」
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凜ネコみゃあお(プロフ) - ♪OK (2018年3月22日 16時) (レス) id: 1fb76055e1 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 凛ネコみゃあおさん じゃあこちらのボードでお願いします。 (2018年3月22日 15時) (レス) id: dd7558d436 (このIDを非表示/違反報告)
凜ネコみゃあお(プロフ) - あーちゃんの好きでいいよ?k (2018年3月22日 15時) (レス) id: 1fb76055e1 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 凛ネコみゃあおさん どちらのボードで話しますか? (2018年3月22日 7時) (レス) id: dd7558d436 (このIDを非表示/違反報告)
凜ネコみゃあお(プロフ) - 頑張ってね!応援してます♪ (2018年3月22日 6時) (レス) id: 1fb76055e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちゃん | 作成日時:2017年11月6日 19時