【Fischer's】マフィア。２ (ページ19)

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Aside

珍しく緑に掴まれた腕を振り払おうとは思わなかった。

「Aちゃん見つけてるんでしょ？あの9人が写ってる写真を。」

頭にアジトで拾った写真が過ぎる。あの写真は肝心な顔の部分が見えていなかった。

「あの写真はね、私が小さい時、Aちゃんが小さい時、シルク君達の小さい時に撮った写真だよ…!!」

その瞬間、私の頭に小さな時の記憶が過ぎった。

「今日からお世話になります。」

父が目の前の女性と会話を交わす。この時、私は6歳だった。

「いいのよ。」

父は私に「いい子にしてるんだぞ」と言い残して親戚の家から出て行った。

「さ、Aちゃん。今日からよろしくね。」

おばさんが、私に「よろしく」と声をかける。この光景は今までに何度も見てきた。だから、まだ6歳なのにも関わらず、返す言葉もわかっていた。

「はい。短い間かも知れませんが、よろしくお願いします。」

この言葉とは裏腹に、私はこの家に約9年ほど居候した。この約9年間の間に、私はフィッシャーズと緑に出会ったのである。

しばらくして近所に住んでいたシルクロードと緑と仲良くなった。シルクロードと緑が中学三年生になって、フィッシャーズと仲が良くなった。

だけど、私は、姉や兄の背中を追って、親戚の家から出ていった。自分はどのように歩めばいいのかわからなくなったのだ。だから、自分が必ず信じていける姉や兄について行くことにした。