【Fischer's】マフィア。２ (ページ13)

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シルクside

「緑…なんで」

俺は沢山の疑問を抱えていた。

何故、緑が布川スパイグループの一班にいたのか。
何故、突然俺達の目の前から消えたのか。
何故、お前はあの日、俺に泣きついてきたのか。
何故、お前は今此処(病院)にいるのか。

すると、緑は「目が覚めたんだね。良かったよ」と微笑んだ。

「緑、なんで、なんで、あのグループに居たんだよ！
なんで急にいなくなったんだよ！なんであの日、泣きついてきたんだよ！
何で今お前が此処にいるんだよ…！」

俺はとにかく疑問に思っていることを緑にぶつけた。
すると緑は、ベッドの横にある椅子に腰掛けた。

「話すと長くなっちゃうよ。」

そう言った緑の顔は、悲しそうで、どこか切なげだった。
俺はしばらく何も言えなくて、俯いていた。

すると緑は、口を開いた。

「私が突然居なくなったのは、お母さんの病気のせいだった。
お母さんが突然重い病気になってしまって、有名な大学病院に入院することになったの。」

緑は目を伏せて、静かに語る。

「私のお父さんは、入院費や治療費を稼ぐのに必死だったから、
私がお母さんの面倒を見ることになった。だから遠くに引っ越しちゃったんだ。
だからだよ。」

そんな話、聞いたこともなかった。

「泣きついたのは、お母さんが病気になる前だったね。
理由は、友人の死。私の一つ上で、いい人だった。」

緑は悲しい話なのに、微笑を浮かべていた。

「すごく仲良くしてくれてた。死因は銃殺だった。」

銃殺…

「私、すごく悔しかったの。だから、必死で犯人を捜してた。
しばらく探してたら、グループに声をかけられたんだ。
“その犯人を探すのに協力する代わりに、グループに入れ”って。」

何も言えないでいると、緑は、急に俺をにらむようにして見つめてきた。

「その人の名前は、布川奏、布川優馬。犯人は、シルク君達、Fischer's。」