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緑side


班長が退院した日から、約一ヶ月が経った。
だけどまだ実家に帰るという報告を受けておらず、
他の仕事をしたり、訓練をしたりしていた。

とある日に、班長の入院していた病院について思い出した。
たしか、その病院にはシルク君も運ばれていた。

シルク君は、私の幼なじみだったのだ。
他にも、Fischer'sのメンバー全員。
だから、敵がFischer'sだって知ったとき、すごく悲しくて、
辛くて、倒すことはできなかった。

いくら考えても、シルク君の状態が心配だったので、私は休日にその病院に向かった。


病院につき、シルク君の病室の番号も聞いた。

だけど、私は、シルク君の病室の前で立ち止まってしまっている。

(本当に、シルク君に顔を合わせていいのかな。
多分シルク君はこの前の戦闘で私の顔、確認済みだったと思うし…)

ずっとそのことが頭の中をぐるぐる駆けめぐっていた。

途中で看護士さんに「どうかされましたか?」と声をかけられてしまったけど、
私はまたしばらく立っていた。

(そのまま時間が過ぎるのも嫌だし、せっかく来たんだから、
状態くらいは確認しないと…)

病院に着いてから約30分経って、ようやく私は決心し、

「し、失礼します。」

と声をかけた。
すると、声が帰ってくる。

「ど、どうぞ」

その声にドッと緊張が増して、ドアに手をかけられなかった。
(どうしようどうしよう)と思っても、一歩を踏み出すことができなかった。

「あの、」

少しして返ってきた言葉に、ビクッと肩をはねさせる。

「あの、どうぞ」

また言葉が返ってきた。
やっぱり、申し訳なくなって、ドアをゆっくりと開く。

すると、シルク君は「え」と驚きを隠せていないような顔をしていた。

「久しぶりだね。私のこと、覚えてる?」

私はできる限り、笑顔でそう尋ねたのだった。


班長には悪かったと思っているけど、班長がちゃんと過去のことを思い出せば、
そんな気持ちもなくなるはず。

私はちゃんと班長に過去のことを思い出させてみせる。

必ず。

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設定タグ:Fischer's , マフィア , フィッシャーズ   
作品ジャンル:その他
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凜ネコみゃあお(プロフ) - ♪OK (2018年3月22日 16時) (レス) id: 1fb76055e1 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 凛ネコみゃあおさん じゃあこちらのボードでお願いします。 (2018年3月22日 15時) (レス) id: dd7558d436 (このIDを非表示/違反報告)
凜ネコみゃあお(プロフ) - あーちゃんの好きでいいよ?k (2018年3月22日 15時) (レス) id: 1fb76055e1 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 凛ネコみゃあおさん どちらのボードで話しますか? (2018年3月22日 7時) (レス) id: dd7558d436 (このIDを非表示/違反報告)
凜ネコみゃあお(プロフ) - 頑張ってね!応援してます♪ (2018年3月22日 6時) (レス) id: 1fb76055e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーちゃん | 作成日時:2017年11月6日 19時

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