47 桜の奇跡 ページ11
*
健人「つまり...簡単に説明すると...？」
難しい言葉を次々と発していく菊池先生に
着いていけず、説明を求める。
少しはわかる言葉も発していた。
しかし...
その中には、信じられない言葉も
混じっていたのを俺はまだ知らない_____。
風磨「少し説明が早すぎましたね...すみません。
では、もう少し詳しく説明させて頂きます」
健人「こちらこそ...なんかすみません...」
菊池先生は、『大丈夫ですよ』と優しく呟いた。
風磨「あんなに頭から出血していたのに...
菅原様が助かったのは奇跡と言っても良いでしょう」
俺は縦に首を振った。
風磨「ですが...」
菊池先生の声のトーンが、一気に下がった。
健人「で...ですが...？」
不思議と思い、聞き返す。
風磨「菅原様は_____...」
風磨「今までの出来事、全ての記憶がありません...」
健人「記憶が...？」
頭の中が真っ白になった。
俺が告白したことも、
俺と過ごしていたことも、
そして...
俺とクリスマスデートしていたことも_____。
全ての記憶を失ってしまったのか...
一粒の涙が俺の頬を伝う。
そしてもう片方の目からも、一粒の涙が頬を伝う。
涙はポロポロと次から次へと頬を伝う。
健人「すみません...ちょっと失礼します」
俺は耐えられなくなり、その場から抜け出した。
だって、男が泣いていたらかっこ悪いでしょ？
俺は俯き、自分の車がある駐車場へと向かう。
車のキーを握り締めて_____。
車の中では思いっきり泣いた。
声を殺し、誰にも聞こえないように。
袖のシャツがもの凄く濡れるまで。
記憶を全て失ってしまった彼女。
前に菊池先生が、言っていた言葉を思い出す。
『頭を強く打ったため、身体の一部に
麻痺が残る可能性も...』
よく考えてみると、
菊池先生は麻痺の話はしていなかった。
健人「よかった...」
胸を撫で下ろした。
麻痺が残ってなくて安心した。
そう考えると、
記憶を失うなんて軽いものじゃないか...
いや、そうじゃない_____...
助かった代わりに、
何か一つを失ったってことになる。
桜の奇跡__________。
それは、春に起こる出来事。
大切な人を失った俺は、
もう一度、
君を振り向かせることが出来るだろうか...？
*
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fumi(プロフ) - アゲハ アリスさん» コメントありがとうございます。そんな風に思っていてくださるなんてとても嬉しいです。只今、更新停止中とは書かれてませんが更新をしていません。早く更新できるように頑張りますので、また更新を再開した時にはコメントを頂けると嬉しいです♪ (2016年6月5日 21時) (
レス) id: a73de86883 (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ アリス - 読んでいて 涙が出てしまい 胸が締め付けられるような痛みを感じ、切なく はかない お話でした。。 とても すばらしいです！ (2016年6月3日 0時) (レス) id: 0b1c467601 (このIDを非表示/違反報告)
fumi(プロフ) - 瑠璃さん» 瑠璃さん、いつもコメントありがとうございます！いよいよ明日ですよ。私も更新するのが楽しみで、今日は寝るれないかもです！瑠璃さんも更新頑張ってくださーい♪ (2016年3月4日 22時) (レス) id: a73de86883 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - いよいよ明日ですな。楽しみです。楽しみすぎて寝れないかもです。笑 (2016年3月4日 21時) (レス) id: f50f5dce67 (このIDを非表示/違反報告)
fumi(プロフ) - 瑠璃さん» 最近、色々忙しくて更新ができません。本当にすみません。早く更新できるように努力しますので、応援宜しくお願いします。本当にいつもコメントありがとね♪ 瑠璃ちゃんも更新頑張って☆ (2016年2月12日 21時) (レス) id: a73de86883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fumi | 作成日時：2015年5月1日 21時
