22話 ページ23
『あ、上着。
ありがとうございます』
Aは上着を丁寧に畳み、爆豪に返した。
爆豪はそれを受け取り、着る。
爆豪「…なぁ、てめぇはなんの為にヒーローをやってんだ？」
『なんの為に、ですか？』
爆豪「昔から疑問だったんだよ。
そこまでして、早くにヒーローになりたかったのかよ」
『…はい、なりたかったんです。
私の父は誰もが知っている人です。
そんな父の欠点や弱みになりたくなかった。
でも、一番の理由は…。
強くなれば…家族を失って泣く人も減るんじゃないかなって思ったんです』
Aは爆豪から目線を逸らした。
『守れる力が、欲しかったんです。
武力だけでは、守れないものもある。
だから、私はヒーロー活動を続けた』
爆豪「…てめぇの考えは綺麗ぇなもんだな」
『…夢ですからね。
私は…強くならなくてはいけないのです。
もう二度と…』
Aはそこで口を閉じた。
そして、爆豪の目を見た。
テレビで見るような、笑顔を爆豪に向ける。
『話が暗くなりましたね、すみません。
私は少し、外の空気を吸ってきます』
Aは立ち上がり、教室から出る。
爆豪はただ、Aの居た場所を見つめた。
爆豪「…強くなりたい、じゃなくて…。
ならなくてはいけない、か…」
爆豪の声は誰の耳にも届かなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Iuna(プロフ) - 人形師さん» ありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！頑張ります！！！！ (2019年5月28日 18時) (
レス) id: 1960f5595d (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - こっちのお話も凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
Iuna(プロフ) - 退廃さんさん» ありがとうございます！凄く丁寧に…！！私の方が心が温まります！これからも頑張りますので、宜しくお願いします。 (2019年5月24日 8時) (レス) id: 1960f5595d (このIDを非表示/違反報告)
退廃さん(プロフ) - コメント失礼致します。好きなジャンル同士のコラボ、設定に惹き付けられて作品を読ませていただきました。師弟の夢主ちゃんへの愛に心が温まります、素敵な作品をありがとうございます。陰ながら応援しております。 (2019年5月23日 22時) (レス) id: 5db8e61afb (このIDを非表示/違反報告)
Iuna(プロフ) - Asterisk@あーちゃんさん» ありがとー！ワンパンマンはいつか書きたい、て思ってた！ (2019年5月20日 8時) (レス) id: 1960f5595d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Iuna
| 作成日時：2019年5月19日 21時
