五十話 ページ1
太宰「…其れは私も似たような物だよ」
太宰は呟くように言った。其の声を聞き取る事が出来たのは、辺りが静かだからだろう。
太宰「初めて彼女を見た時、何の感情も湧かなかったよ。唯、森さんのお気に入りの子が増えた、て感じだった。けど…」
太宰はそこで一度口を閉じた。そして、空に手を伸ばし、また、口を開いた。
太宰「少しずつ接して行く内に、守りたい、支えたい、この子の闇を取り払ってあげたい、て思う様になっていったよ」
中原「…」
俺は目を閉じて、初めて会った時のAを思い出していた。
太宰「あの子の有り得ないほどの記憶力、良過ぎる視力と聴力…そして、強過ぎる力…。
幼かったあの子にはどれだけ苦痛だったのだろうね…。周りからの期待の目や言葉に…どれだけ我慢して、変わらない態度でいたのだろうね」
俺はある事を思い出していた。其れは…
Aが声を殺して泣いている所だ。普段、感情を余り表に出さなかったAの初めてと言っていいほどハッキリと表に出した感情。
俺はあの時の光景が脳裏から離れない。
太宰「何より…私の異能力が効かない。それだけで噂になる。あの子は…どれだけ自由になりたかったのだろう…」
太宰が声に出すAに対しての疑問を静かに聞く事しかできなかった。俺は…傍に居ながら、何もしてやれなかった。だから…
中原「俺はAを守る。Aには…人並みの幸せを贈りたい。何よりも愛おしいAに…」
俺は太宰を見た。太宰も俺を見ていた。
太宰「旧双黒はあの子の為に、もう一度手を組もう。あの子の…幸せの為に…」
中原「嗚呼」
嫌いな太宰。けど、Aの事になれば違う。俺も太宰も同じ気持ちだ。だから、手を組む。Aの幸せを願う者として…。
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はつね(プロフ) - 59話のやつ、上から太宰治、中島敦、中原中也ですかね…？もう、、見た瞬間叫びました。凄い面白いです。 (2021年10月22日 22時) (
レス) @page10 id: 2e11b91bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ロリコン - 虎になる話して…敦くぅんヤンケ (2019年7月27日 20時) (レス) id: 9cf5f7dc68 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - Iunaさん» 作品出来たら教えて下さい！楽しみにお待ちしてます (2018年10月17日 10時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - Iunaさん» 暗殺技術、狙撃、体術、剣術は世界一の実力を持つ。出来ない事は特にない…でお願いします (2018年10月17日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
Iuna(プロフ) - アリスさん» 了解です！リクエスト、ありがとうございました！！ (2018年10月17日 7時) (レス) id: 1960f5595d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Iuna
| 作成日時：2018年9月26日 18時
