47話 ページ48
謝り続ける妹を心配したのか、奥から男の声が聞こえた。
姉ちゃん、と呼ぶ声。
あぁ、あの子か…。
そんな事を考えていると、弟も私の顔を見て固まった。
夏雄「…A、姉…？」
『…うん』
それしか言えなかった。
この子が1番私に会いたくないはずだから。
なのに…なんで妹みたいに泣くのかな？
夏雄「本物…本物のA姉だっ…」
泣いている妹と弟に対して私は何が出来るんだろう。
何をすればいいの？
『…ごめんね、泣かせて。
来ない方が、良かったね』
既に緩められた妹の手を解き、去ろうとした。
けど、また掴まれる。
今度もまた、冷たい手によって。
でも、大きさとか違うくて弟のだと、直ぐに分かった。
夏雄「去らないで…！
もう、俺達の前から…消えないで…」
弱々しい声に心が苦しくなる。
駄目だよ、私。
この子達にとって、私は嫌な存在なんだから。
離れなきゃ…。
轟「A姉…」
知らない間に1番下の弟も来ていて…。
固まる事しか出来なかった。
轟「…A姉なら来ると思った」
『…離して』
轟「嫌だ。
ここで離せば、A姉はもう二度とここに来ねぇかも知れねぇから。
離したく、ない」
夏雄「そうだよ！
いつも気を使って、俺達の前から居なくなって…！
俺が…どんだけ、後悔したか…。
どんだけ…謝りたい、て思ったか…」
冬美「…怒ってもいいのに、怒らなくて…。
その優しさに甘えて…。
姉さんだけに負担を掛けて…。
もう、嫌だよ。
家族がバラバラになるのは…」
冬美も夏雄も焦凍も涙を浮かべる。
そんな時、また奥から歩く音が聞こえた。
その音は聞き覚えのある音で…。
炎司「…A」
余り得意では無い声。
何度も聞いたはずの声に、覇気は無くて…。
顔にある傷跡が痛々しく目立っていた。
弱々しく、昔の父と比べれる事も出来ない程、この人の表情は弱々しい。
炎司「……すまなかった」
父はそう言っただけだった。
けど、そう言った父は私から目を逸らさなかった。
『…なんで、謝るの…？
別に、もう…。
昔の、事でしょ…？』
炎司「…」
『貴方はいつも、そうだったでしょ…？
謝る事なんて…しなかった…。
なら、最後までそれを貫いてよ…。
それか、最初から…そうあってよ…』
妹と弟に腕を掴まれているせいで、流れる涙を止めることが出来ない。
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引きこもり隊 - 222を223にしてしまった罪悪感…。そして、拭いきれない作者様の神感…。素敵という言葉以外出てきません。 (2022年8月16日 16時) (
レス) @page50 id: af8345609d (このIDを非表示/違反報告)
金木犀 - 最初は軽い気持ちで読んでいたんですけど、最後はめっちゃ泣きました。完結させていただきありがとうございます！ (2022年3月7日 23時) (レス) @page50 id: b5d4ecbe80 (このIDを非表示/違反報告)
まほのためならちねる - すっごい良かったです‼︎ (2021年11月27日 8時) (レス) @page47 id: ad95bf6585 (このIDを非表示/違反報告)
ashleyllerenas(プロフ) - めっちゃ泣いたわ。いい話だった。・゜・(ノД`)・゜・。 (2021年2月19日 2時) (レス) id: d871304124 (このIDを非表示/違反報告)
Iuna(プロフ) - アオさん» ありがとうございますっ！！！！夢主ちゃんの為に家族が一丸となる未来が訪れますよ、きっと！！！！こちらこそ、素敵なコメントをありがとうございます！ (2020年2月16日 1時) (レス) id: 1960f5595d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Iuna
| 作成日時：2019年3月17日 1時
