50話 side You ページ1
頭の中で誰かがずっと声を掛けてくる。
『君なら役に立てる。』
『トニー･スタークの役に立つには、我々の力が必要だ。』
『トニー･スタークは知らないのだろうね。君がどれだけ素晴らしい存在なのかを･･･』
『認めてもらいたいだろ？』
『必要とされたいだろ？』
『君の兄に』
ピーター達と行ったセンターモールで、爆発事件が起きたあとから、この声に惹かれるように待ち受けていた黒いバンに乗り込んだ。
ずっとずっと思ってた。
だから行こうと思った。
これで本当に役に立てることを証明できたなら、きっと私を、ちゃんと私の事を見てくれると思うから。
｢ううっ･･･｣
｢頭が痛むか？｣
｢･･･貴方は楽しそうですね。先生。｣
目の前に居るのは教育実習生のはずである、パオロ･コンティ先生本人。
楽しそうに、ニッコリ笑って私を見てる。
それから眉を寄せてわざとらしくため息をついた。
｢せっかくのデートが台無しだな。ピーターが可哀想だよ。｣
｢それは･･･そうですね。でも爆弾が、･･･あれはあなたが仕掛けたの？｣
｢まさか。僕だって作戦がこんな派手な物だなんて聞いてなかったね。｣
僕の作戦じゃないと言い張る彼に、痛む頭をおさえて頷いた。
誰の作戦だって関係ない、ピーター悲しんでるかな･･･。車がどこかで止まると、ドアが開いた。
｢車を乗換えるぞ。｣
｢え、･･･痛。｣
腕をグイッと掴まれて、白い乗用車に乗り込んだ。
黒のバンは運転手以外誰も載せず、発信していった。白の乗用車には、私と彼しかいない。
｢囮？｣
｢まぁ、そうなるな。君のお兄さんはなかなか欺けない。だろ？｣
｢兄は私が居なくなって清々してると思うわ。きっとね。｣
｢そうか。｣
静かに返事を返した彼は、ゆっくりと車を発信させた。何故だか急に眠くなってきて、先生の方をちらっと見るとガスマスクを被ってる。
なるほどね、催眠ガスって訳ね。
静かに瞼が閉じた。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 256人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ayame(プロフ) - 枕崎さん» 初めまして！コメントありがとうございます。つたない作品ではありますが、楽しんで読んでくださって嬉しく思います！ゆっくりですが更新頑張ります！お互い体調に気をつけて参りましょう！！ (2020年4月5日 10時) (
レス) id: a5fbe4eef6 (このIDを非表示/違反報告)
枕崎(プロフ) - 数少ないスパイディの作品から続けて更新してくださって本当にありがとうございます。とてもピュアでそれでいて、もどかしさもありつつの、素敵な作品に出会えて本当に嬉しく思います。これからもお体に触りない程度に更新頑張ってください。応援してます！ (2020年3月28日 13時) (レス) id: 8e8712b35b (このIDを非表示/違反報告)
ayame(プロフ) - ゆかさん» コメントありがとうございます。面白いと思ってもらえて嬉しいです！更新頑張ります！！ (2020年1月30日 7時) (レス) id: 65dc6c3fef (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 凄い面白い！更新待ってます！ (2020年1月25日 10時) (レス) id: 9f082aa266 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayame | 作成日時：2020年1月6日 0時
