【今日から俺は】寝ても醒めても相良くん。2

いい匂いと優しい手 ページ9

『猛くん、伊藤くん！！っわ！！』




靴を履いて外に出ると、猛くんと伊藤くんが見えた。

走ってみたら、なんだ嫌な予感がする。
フラついて校門の手前にある溝に足が引っかかって、前に倒れ込んでしまった。

あぁ膝が擦りむけるか、手が擦りむけるか･･･かな。

冷静に痛みを待っていたら、いつまで経ってもそれは来なくて、いい匂いがした。





『あれ？』

相｢ったく･･･何やってんだよ。｣

『猛くん！』





いい匂いの元は猛くんで、
私を抱きしめるように助けてくれたみたい。





『ありがとう･･･』

相｢･･･どういたしまして｣





抱きしめられたまま、見上げる形でお礼を言うと、恥ずかしそうにニヤッと笑った猛くんは、私の頬っぺを手の甲でそっと撫でた。


なんでなんで、猛くん。

何やっても格好いいのはなんでなの。


お互い見つめ合っていたのか、
どうなってたのか、
よく分からないけど、

急にベリっと剥がされて、いつの間にか猛くんと私の間に三橋くんがいた。





三｢いつまで抱き合ってんだよ。｣

相｢はぁ？転んだ所受け止めたんですよォ。見てなかったか！？｣

三｢ふざけんなっ相良ぁ！！！あんな！あんな堂々と！そう！堂々と！ギュッて･･･もうそれは力強くギュッて！抱きしめやがって！！！お前が幸せであることが許せない！｣

伊｢え、それであんなに絡んでた訳かよ。｣

理｢はぁ･･･さんちゃん、何やってるのよ。｣

相｢居るだろうが、お前にもマブイ女がよぉ！｣






わぁわぁと楽しそうなみんなを見つめていると、肩がズシンと重くなって驚いた。




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