【今日から俺は】寝ても醒めても相良くん。2

レモンスカッシュが甘い ページ42

ふと猛くんが慌てて、ケーキの箱をちぎって何かを書いたものを私に渡した。

受け取って見れば、それは電話番号で、それがなんの番号なのか何となく気がついて、控えめに『いいの？』と聞いた。

猛くんは驚いた顔をしてから、ちょっと自慢気な顔で｢いいぜ？｣って、その顔も格好いいし、可愛いしで、私が照れて俯くと、目の前に猛くんのゴツゴツの手のひらが差し出された。





相｢Aちゃんの番号。｣

『あ！えっと、･･････っこれです！』

相｢ありがとな｣





猛くんみたいにケーキの箱をちぎって、家の電話番号を書いて手のひらに乗せた。

満足そうに笑った猛くんは、レモンスカッシュをグイッと飲み干して缶をグチャっと潰した。





『凄い･･･』

相｢はぁ？あぁ･･･これか？ククッ、俺は男だぜ？Aちゃんみてぇにか弱かねぇんだって。｣

『だ、よね。私、弱いよね･･･』

相｢別に気にする事ねぇよ。｣

『うん、』





猛くんが言ったのは本当の事だし、きっと猛くん自身は冗談だったと思う。

でも少なからず私はショックを受けた。

やっぱり弱いよね･･･
そうなれば私がやることは決まった。






『あのね猛くん。私、猛くんの事好きだよ。でも、もう少し待ってて欲しいの･･･私が納得出来たら、その時に猛くんがまだ私を好きだったら･･･』






口元に猛くんの手が触れて、言葉が詰まった。

というか、その、この状況に心臓が五月蝿いくらい音を立ててる。






相｢それより先は俺が言う番だろ？いいか、Aちゃん。俺は気が長ぇほうじゃねぇんだ･･･でもAちゃんが待って欲しいって言うならやってやるぜ。･･･電話していいんだろ？｣

『ふふっうん。猛くんからの電話待ってる。』







私の言葉に、ちょっと安心したような顔をした猛くんは、私のおでこに軽くキスをしてニヤリと笑って｢またな｣って出て行った。




猛くんが出て行った扉が閉まるのを見届けて、残りのレモンスカッシュを飲み込んだ。




さっきよりも甘く感じるのは、

炭酸が抜けたから？

それとも猛くんのせい？







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