用意がいい猛くん ページ40
病室の扉をノックする音がしたと思ったら、静かに開いて、それが猛くんで、とっても驚いた。
『猛くん？』
相｢･･･邪魔したか？｣
理｢あ、大丈夫！私帰るところだったから。｣
『理子ちゃん、もう行くの？』
理｢うん、お父さんに御遣い頼まれてたし･･･猛くんに返事してあげてねっ！｣
ボソッと耳元で最後の一言を言うと、カバンを掴んで出て行ってしまった理子ちゃん。
相｢んだよ、顔赤くして･･･なんか言われたか？｣
『えっと、ううん、なんでもないのっ！！』
相｢ふーん｣
何となく納得してなさそうな顔で、さっきまで理子ちゃんが座ってた椅子に腰掛けた猛くん。
ビニール袋を私の前にあるサイドテーブルに乗せた。
『これって･･･』
相｢あのサ店のじゃねぇが･･･行けなくなっちまったしここで食ってもいいだろうって思ってよォ。｣
『ふふっ凄いね猛くん！レモンスカッシュまで！！』
相｢俺は本格的なんだよっ。｣
用意されたのはケーキ屋さんのショートケーキと、缶のレモンスカッシュ、それと紙皿。
三橋くんがいたら絶対笑ってたと思う。
だって猛くん本当に用意がいいんだもん。
『猛くん、ありがとう！すっごく嬉しい！！』
相｢おぅっ。食べようぜ！｣
『うんっ！いただきます！！』
右手が使えないから左手でフォークを持って、ケーキを小さく切る。
と言っても片手で紙皿を押さえられないし、今は刺しただけ。
ギコギコ動かしたけど、サイドテーブルが揺れるし、余計に切れなくて、フォークが刺さったまま取れなくなった。
『はぁ･･･』
ため息をついた私に、肩を揺らした猛くんは、持ってたフォークをそっとテーブルに置いて私を見た。
相｢ククッ、なぁAちゃん。俺じゃ頼りねぇか？｣
『え？まさか！猛くんは、いつだって頼りになるよ？』
相｢じゃあフォーク貸せよ｣
『フォーク、なん･･･でっえ！？いや、あの･･･』
相｢初めてじゃねぇだろうがっ、ほら。｣
そう言ってちょっと険しい顔をした猛くんが、私が突き刺したフォークを奪い取って、ケーキを口元に運んでくれた。
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青龍 葵(プロフ) - 更新を楽しみにしてます! (2021年5月11日 19時) (
レス) id: e10675e39d (このIDを非表示/違反報告)
ayame(プロフ) - 杏仁豆腐さん» 初めましてこんにちは！私の作品を読んでくださって本当にありがとうございます！まさかと思う絡みも見たい･･･というわけで書いてみました(笑)楽しんで貰えて嬉しいです！更新頑張ります！！ (2020年8月28日 18時) (レス) id: 6550f78d40 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐 - 初めまして！相良くんの数あるお話の中でも１番好きで読ませてもらってます！お化け屋敷の今井と相良の絡みで爆笑しました(笑)「『うん！』」(笑)これからも楽しみにしています！ (2020年8月27日 23時) (レス) id: 0bf81dfdd1 (このIDを非表示/違反報告)
ayame(プロフ) - 親子丼さん» 初めましてこんにちわ！楽しんで貰えて嬉しいです！私も書きながら、今井っ！！？と面白くなって親指が進む進む（笑）ありがとうございます！ (2020年8月26日 19時) (レス) id: 6550f78d40 (このIDを非表示/違反報告)
親子丼(プロフ) - お化け屋敷で今井が相良の腕にしがみついたシーン、私も「何でぇぇ！？！？」と叫んでしまいました笑笑 (2020年8月26日 14時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayame | 作成日時：2020年8月20日 17時
