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自由がすき。戦うのが好き。でも無益な殺生は好まない。志麻が剣や銃を持つのは誰かを守るときだけ。ちなみにまだ目にしたことはない。私に武術は教えてくれるけど、自分から望んで教えているわけじゃないこと、お父様の命だからと口を酸っぱくして言う。そして、1番彼は私のことを身を挺して守ってしまう人。
志麻はそういう人。知ってるの。知ってたはずなのに。
いざ手放すことを考えると、身を引き裂かれるんじゃないかってくらいつらい。
ふっと、顔を上げるといつの間にかずいぶんを歩いていたみたいで、1階の中庭近い廊下だった。
立ち止まって、深呼吸を繰り返して、沈んだ気持ちを奮い立たせた。そのとき、自分の周りのどこかで話し声が聞こえた。耳を澄ませて聞いてみると、それは確かに聞き覚えのある声だった。
「･･･だから、そういうことにしておいてください。」
「そう･･･志麻くんはよく考えたのね。」
テニュー様と、･･･しまだった。
中庭の中央の屋根付きのバルコニーに二つの影が並んでおり、沈んだ夕日の代わりに浮き上がった月が2人を照らしていた。妙に絵になる2人に、私は身を固めることしかできなかった。
志麻が人の気配に気づかないなんて、よほど込み入った話をしているのだろう。
これ以上は近づいちゃだめだと本能が告げている。本音を言うとそこから動けなかった。今話していることが、私の聞きたかったことなら、私が口出ししない方が、志麻の本音だと思うから。黙って聞こう。
「でもいいの？お嬢差、大切なんでしょう？」
「大切だからこそ、これでいいんです。」
「･･･本当に、あなたたちはお嬢様のことにしか頭が働かないんだから。」
「･･･テニュー様について行けば、確かにお嬢様をこの手で守れることは確かですし。不可能な夢も同時に叶えられます。」
ひっと喉の奥で声がなった。声にならない声が喉奥で響く。
しまはほんきだ。
どうしよう。とめにはいる？このままだまってる？
自分の中で同じ内容のせめぎ合いが繰り返される。
「でも、予想通りの決断だったわ。ありがとう志麻くん。」
目の前が真っ白になって、気づいたら、走って、走って、2人の間に割って入っていた。
言うことなんて、説明なんて、なにも頭の中にない。
ただ、嫌だった。ただの感情論で突っ走ってしまう、子供の頃の私と同じ、大人になりきれない私の精一杯の抵抗をしてしまった。
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結月。(プロフ) - 定期的に読み返してしまうほど大好きなお話です。もう1年以上更新が止まっていますが、この作品に出会えたことが凄く嬉しかったです。素敵な作品を紡いで下さり本当にありがとうございました。大好きです。 (2023年1月8日 5時) (
レス) @page27 id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2021年7月5日 17時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - ゆっこさん» ゆっこさんコメントありがとうございます(^^)大変ゆっくりな更新で申し訳ないのですが、更新は続けていきますよで見続けてくだされば幸いです！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
珠菜(プロフ) - とても面白かったです！登場人物の再現だけでなく、ストーリー構成も魅力的でした。浦島坂田船の皆さんの名前を借りない一次作としても楽しめると思いました!!大好きな小説なので、是非これからも更新頑張って欲しいです。体調にはお気を付けて。応援しています。 (2020年4月24日 1時) (レス) id: 93515d92f9 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 続編おめでとうございます！私今年受験生なんですよ。コロナあるのに。なんでやねん！！って思いましたwこれはおいといて、まーしーがすぐに断ってないみたいなので今ハラハラしてます。抜けないよね！？って思ってます！これからも頑張ってください！ (2020年4月19日 1時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらいろ | 作成日時：2020年4月7日 1時
