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志麻がテニュー様からの直々の引き抜きにすぐ断りを入れなかったことを坂田が教えてくれた。彼らを信じることを決めたばかりの私には急すぎる試練だった。
志麻が揺らいでいるのなら、引き留めるべきなのか。そっとしておくべきなのか。
もちろんどこかに行ってほしいなんて、私の目の届く範囲からいなくなってほしいなんて微塵も思ってない。･･･むしろ目の前にいてほしいと言ったのはしまなんだから。
志麻の心理を探る中、うらたの一言を思い出した。
『･･･うらたが言ってた条件って何？』
3人に目配せをしてそう尋ねるも、全員に目をそらされ、だんまりの状態になってしまった。
この状況下で口を閉じるのは、きっと詮索されたくない何かがあるから。下手に口を挟むのも、いけないことよね。私は心の中で一息をついて、なんでもないわ、と頭を振った。
『とりあえず、話を聞いてくる･･･。』
そう言って、坂田の部屋を出ようと歩き出した、そのとき、後ろ手に手を引かれ、振り向かされた。誰だろうと不思議に思うと、それはセンラだった。
「･･･志麻くんがどんな選択をしても、･･･それはお嬢を思った行動だって、頭のどっかには置いといてください。お願いします。」
ぎゅっと握られた手首の痛みが彼の思いの強さを表していて、私は黙ってうなずくしかできなかった。センラは普段の余裕そうな表情とは裏腹に瞳を揺らしてこちらを伺うから、なんだか心がざわざわした。
彼らでさえも、志麻の選択を予想できないんじゃ、仕方がない。･･･なによりその条件なるものが魅力的だったに違いない。
『4人の行動全部、私のためじゃなかったことなんてないじゃない。分かってるよ。大丈夫。ありがとう。』
そう微笑むと、意表を突かれたとでも言いたげな驚いた顔を残すものだから、可笑しくてまた口角を上げた。
大丈夫、大丈夫だから、泣くな私。
泣き虫だってまた笑われちゃう。
最後に3人に見せた偽物の笑顔を貼り付けたまま、ドアを開けて、指を口の端に持って行き自分で無理矢理口角を上げた。
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結月。(プロフ) - 定期的に読み返してしまうほど大好きなお話です。もう1年以上更新が止まっていますが、この作品に出会えたことが凄く嬉しかったです。素敵な作品を紡いで下さり本当にありがとうございました。大好きです。 (2023年1月8日 5時) (
レス) @page27 id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2021年7月5日 17時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - ゆっこさん» ゆっこさんコメントありがとうございます(^^)大変ゆっくりな更新で申し訳ないのですが、更新は続けていきますよで見続けてくだされば幸いです！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
珠菜(プロフ) - とても面白かったです！登場人物の再現だけでなく、ストーリー構成も魅力的でした。浦島坂田船の皆さんの名前を借りない一次作としても楽しめると思いました!!大好きな小説なので、是非これからも更新頑張って欲しいです。体調にはお気を付けて。応援しています。 (2020年4月24日 1時) (レス) id: 93515d92f9 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 続編おめでとうございます！私今年受験生なんですよ。コロナあるのに。なんでやねん！！って思いましたwこれはおいといて、まーしーがすぐに断ってないみたいなので今ハラハラしてます。抜けないよね！？って思ってます！これからも頑張ってください！ (2020年4月19日 1時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらいろ | 作成日時：2020年4月7日 1時
