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なんとか３人を収めて、用意された会食の場に入ると、もうすでにテニュー様は着席なされていて、そのそばに座る子どもたちの相手をしていた。
私が駆け寄って、無礼を謝罪すると、「私の蒔いた種だから」と一蹴されてしまった。･･･そうではあっても上下関係というものにより敏感な貴族間で、そんなことが許されるのかと苦笑いで返してしまった。
「いいのよ。私はあなたのこと娘だと思ってるの。私には息子ばかりで、可愛い女の子がいなかったから。あなたにいろいろな洋服を送るの楽しかったのよ。」
『その節は･･･大変お世話になりました。』
母と古い友人らしい彼女は昔からこの屋敷に足を運んでいた。当主となった今では圧倒的に回数は減ったにも関わらず、頻繁に顔を出すのには変わりはない。小さい頃に来ていた洋服は大体テニュー様からの贈り物だった。
「やっぱり今日のことちゃんと話さなきゃ、よね？」
『気にはなります。でも、彼らがあまり口を割らないので、そっとしておくのが１番かなって･･･。』
「ふふっ。大丈夫よ。少し試しただけなの。」
試す？彼らのなにを？
首をかしげる私をよそに、彼女はニコニコと頬を緩ませて、反対に背後でせわしなく準備を進める彼らの動きが止まった。その様子をチラリとのぞくと気まずそうに目をそらされた。
「でも、安心したわ。見事にご執心なのね。彼らなら、Aちゃんのこと命に代えても守ってくれそうで･･･。」
目を伏せて、そう思いにふけりながら、つぶやいた。何かに懐かしむような、そんな儚げな表情。すごく真意が気になってしまう。
でも･･･、でも違うんです･･･４人は私なんかに身を投じちゃだめなんだよ。私なんかに命かけちゃだめなんだよ。
『ごめんなさい、テニュー様･･･。私、命に代えられたら嫌なんです。ずっと傍にいてほしいから。･･･これって、可笑しいことですか？』
つい、出てしまった。はっとして慌てて口元を抑えた。さっき貴族は上下関係を重んじるとか語りながら、自分が年上にくってかかっちゃてる。子どもじゃないんだから、もうちょっと言葉とかなかったの私･･･。
すると、目の前から軽快に笑う声が聞こえた。
「全然可笑しいことじゃないわ。でもさすがは、ベルリアの娘ね･･･。･･･貴方たちも苦労するわね。」
そう今度は後ろの執事たちに向かっていった。彼らがどんな顔をしたかは分からなかったけど、満足げな当主様の笑顔が全てだった。
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結月。(プロフ) - 定期的に読み返してしまうほど大好きなお話です。もう1年以上更新が止まっていますが、この作品に出会えたことが凄く嬉しかったです。素敵な作品を紡いで下さり本当にありがとうございました。大好きです。 (2023年1月8日 5時) (
レス) @page27 id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2021年7月5日 17時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
さくらいろ(プロフ) - ゆっこさん» ゆっこさんコメントありがとうございます(^^)大変ゆっくりな更新で申し訳ないのですが、更新は続けていきますよで見続けてくだされば幸いです！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
珠菜(プロフ) - とても面白かったです！登場人物の再現だけでなく、ストーリー構成も魅力的でした。浦島坂田船の皆さんの名前を借りない一次作としても楽しめると思いました!!大好きな小説なので、是非これからも更新頑張って欲しいです。体調にはお気を付けて。応援しています。 (2020年4月24日 1時) (レス) id: 93515d92f9 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 続編おめでとうございます！私今年受験生なんですよ。コロナあるのに。なんでやねん！！って思いましたwこれはおいといて、まーしーがすぐに断ってないみたいなので今ハラハラしてます。抜けないよね！？って思ってます！これからも頑張ってください！ (2020年4月19日 1時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらいろ | 作成日時：2020年4月7日 1時
