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「うらたんはさ、俺らを守る範囲が一気に拡大されて困惑して街は苦手みたいやけど、Aはちゃうやろ?教えてくれへん?」

三色団子を頬張ろうと口を開けた瞬間だった。・・・ちょっと間が悪いんとちゃいます????

なんて馬鹿げたことを思ってしまったが、左手で口元を隠して右手に持った団子を皿に置き直した。彼を見やると、じっとこっちを向きながら、その長い足を組んでいた。絵になる。許せる。


『・・・あまり自分で選択して生きてこなかったからびっくりしたんです。』

「・・・・・・・・・ごめん、ほんまに胸糞悪かったら殴ってもええんやけど、Aの出自教えてもろて貴族の出ってことは知っとるんやけど、貴族ってなんでもし放題とちゃうの?」


きっと、千羅さんなりに気を遣った言い回しなんだろうと思うとやっぱり可愛らしくなる。大人びた風貌とはうってかわってとても幼く見える。


『私が綺麗なお顔に泥塗るような真似するわけないじゃないですか。』

「ちょっとずっこかった?」

『ええ、たいぶ。』


そうくすくす笑って返すと、ほっと息を吐く声が聞こえた。


『私の家は自由がなかったから。父が絶対で、あまり逆らえなかったし、逆らったら仕置きだって1日倉庫に閉じ込められたり、揶揄なしで獅子の子落とし野郎だったので泳ぎも知らないうちに海に投げ出されたり木の上に乗せたまま下ろしてくれなかったり・・・。』

「待って待って待って、想像以上に過酷っていうか、ほんまによく生きとったな。」

『大抵のことは兄が助けてくれましたから。お陰と言っては何ですが、自分の身くらい自分で守れるくらいにはなりましたよ。』

「通りで花魁になっても腐らんわけか。」


その理論に別に異論はない。傲慢な父のせいで私は遊女になったけれど、その性格に今の私は生かされている。両方の頬をひっぱたいてやりたいくらい気にくわないけれど。

厳しかったし、私は父の駒だった。

・・・・・・きっと私は商品だった。


良い商品を育てたかったんだろう。いつか困ったときに売れる手駒の一個だったんだろう。


『だから、なんて言い訳にはしたくないけれど、今まで敷かれた道を辿るだけの人生だったのに、急に数多の選択肢を放り投げられてしまっても自分の容量が測りきれないし、きっともう溢れてる。』




いつの間にか満員になっていた店内を見回して、もうそろそろ店を出ましょうと提案して重い腰を上げた。食べかけの団子ももう喉を通らなかった。

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さくらいろ(プロフ) - マロンさん» ありがとう(*´˘`*)最近更新する時間を作れることが多くて今頑張ってます!待っててください(^^) (2020年5月30日 16時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
マロン(プロフ) - さくちゃん待ってたよぉぉお!!てか最初の方から好きすぎてやばいのですがどうしましょう!?← え、取り敢えず好きすぎてやばいです……!!!、 (2020年3月22日 21時) (レス) id: 16f9fe16fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくらいろ | 作成日時:2020年2月27日 23時

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